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エルサレム首都承認

2017年12月08日 | 時事
エルサレム首都承認で緊迫=パレスチナ各地でデモ、100人超負傷―
3つの宗教の聖地でもあるエルサレム。ユダヤ教国であるイスラエルの首都として認定すれば、混乱は必至ですな。

あの辺は歴史上複雑すぎて、自分も正確には理解していません(笑)そもそも何故聖地かといえば、ユダヤ教を信じていたユダヤ人が元々住んでいた場所だったのを、ローマ帝国に追い出され流浪の民となったのが始まりであり、以来ユダヤ人は2000年も教義を支えに各国に散らばり生活していました。聖書とは元々ユダヤ教の経典だったのですね。その後イエス・キリストがユダヤ教を拡大解釈し、「新しい契約」の新約聖書とともに世界中にキリスト教が広まり、さらにムハンマドが「最後の預言者」としてキリスト教から独立し、コーランを旨とするイスラム教も広まりました。つまり、これら3つの宗教はざっくり兄弟関係にあるわけで、聖地エルサレムも3宗教同じく聖地になってしまったのです。兄弟宗教だから仲が良いのかと言えば決してそんなことはなく(笑)ユダヤ教にしてみれば「こっちが元祖で弟たちは偽者」ですし、キリスト教にしてみれば「兄は偏屈、弟は偽者」、イスラム教にしてみれば「兄たちは古い、こっちが最新」というように、それぞれ相容れない立場を取っているわけですね。

で、そのユダヤ人は第二次世界大戦時に迫害を受けており、大戦後にようやく解放され、世界の同情心を集め悲願のイスラエルの地に建国をしました。彼らにとっては「元々住んでいた場所に戻って国を作った」わけですが、元々といってもはるか2000年以上も前の話ですし、その間住んでいたアラブ・イスラム系の人達にとっては「突然やってきてのっとられた」と思っているわけです。当然反乱を起こし、現在はユダヤ教の「イスラエル国」内に飛び地状態でイスラム教の「パレスチナ暫定自治国」がある状態です。しかし、国際的にはパレスチナを国とは認めない代わりに、イスラム国には首都をエルサレムとは認めないという、微妙な折衷案でこれまで来ていた感じのようです。

世界情勢的に見るとユダヤ教は最も少なく、キリスト教が最多、イスラム教が次に多いわけなので、ユダヤに味方してイスラムを敵に回すことはどの国も避けたいのが実情でしょう。つまり現在の状態が結論先延ばし状態であるとはいえ、何とか折り合っていたわけですが、それを今回トランプ氏がエルサレムを認めると宣言したために大問題となっているのですね。暴動で収まればまだ良い方で、最悪戦争にまで発展する恐れもあります。宗教の問題は、「平和的に話し合えば何でも解決する」と思い込みがちな日本人には理解しがたいのですが、一切の妥協ができないため、しばしば殲滅戦になることも珍しくありません。早速空爆も起きているようですし、落としどころが見えない状況がしばらく続きそうですね。

トランプ氏的にはその方がアメリカの経済が回る(武器が売れる)といった所でしょうか・・・これ、北朝鮮への立場も本質的には同じなのかもしれませんな。