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風評被害の定義

2015年05月18日 | 時事
【箱根山火山活動】温泉の湯量減少「避けられぬ」と不安の声 供給の中心6基は200メートル以内
と言うか、温泉地の住民も早く商売やめて避難を検討した方が良いのではないですかね。

今回、噴火警戒レベルが2に上がったのと、メディアが風評被害と言い出したタイミングがやたら早くて違和感を覚えました。東日本大震災や御嶽山のように、実際に被災した後でその影響範囲を調べ、「問題ない」と言うのならまだ分かりますが、今回はまだ「これから噴火するかもしれないから警戒しなさいよ」という段階であり、その爆発がいつどのくらいの規模で起こるか、誰にも分からないわけです。実際に火山性地震も増えており、湯の量が減ったと言うのはかなりヤバイ現象でしょう。それこそ、温泉の配管の詰まりを直しに行っている最中に噴火したら、温泉地の人達はその業者の命を補償できるのでしょうか。また想定を超える大噴火が起き、騙して呼び込んだ観光客が被災したら責任を取れるのでしょうか。近々にあの御嶽山噴火があったわけですし、流石にもう「想定外」は使えませんよね。「あつものに懲りてなますを吹く」対応が、ベストとは言わないまでも、現状ではベターなのではないかと思います。

自分だけでなく、多くの日本人は噴火したら怖い山の1位は富士山だと思っているでしょうけど、実は過去の実績を踏まえると、箱根山の噴火規模は富士の14倍に及び、現在の神奈川県まで火砕流に呑み込まれたほどだと聞きます。ちなみに1位は阿蘇山で、何と富士の600倍、8万年前に九州全土と山口を焼き尽くしたとか。まあいつもフルパワーで噴火するとは限りませんけど、地震よりもさらに予知や予測が難しいのが火山ですから、今回のように顕著な変化が見られる場合、最低でも数ヶ月は様子を見た方が良いと思うわけです。
メディアがすぐ風評被害と叫んだり、安全を強調する御用学者を選んでコメントさせるのは、はっきり言ってスポンサーがいるからです。いくら中立を装っても、発言によって儲からなくなるようなことは言わないってことですな。逆にメディアが観光を煽って、そこで災害や事件事故に巻き込まれても、責任を取った人は誰もいませんし、まず危険地域の特集自体が組まれません。現にここの所福島の観光特集とか、現地に行って野菜をボリボリ食べるのを一切見なくなりましたし、特集で多いのは金沢とか世界遺産候補となった九州ですが、一緒に勧告となった桜島に近い鹿児島はほとんど特集されません。全くゲンキンなものです。「正しく怖がる」と言いますが、現状で箱根から客足が遠のくのはちゃんと「正しく怖がった結果」であり、風評被害ではないでしょう。例えば福島産の食べ物を敬遠するのを風評被害と呼びますが、より安全なものを食べたいと思うのは一般的な心理ですし、我々も台湾を責められないのです。元々温泉がよく出る土地だったから観光地になったわけで、自然の恵みを享受して暮らしているのですから、自然に文句は言えません。今までの恵みに感謝し、赤字になる前に別の仕事を探すか、別の土地で働くのが筋だと思います。それをしないほどの地元愛の持ち主なら自分も否定はしませんけど、少なくとも観光客には「本当に箱根が好きな人で、万が一の時は箱根と心中してもいい人だけ自己責任で来てください」と呼びかけるべきでしょう。

日本人に足りないのは、こういうリスクに対する覚悟と責任ですな。風評被害と言う言葉自体、言霊の国の表れなのでしょう。