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世界遺産屋久島の旅

2015年05月06日 | Weblog

もののけ~たち~だらけ~(違)
というわけで、屋久島に行って来ました。目的地はもちろん縄文杉です。

昨日の記事然り、世界遺産も放っておくとどんどん増えていきそうな勢いなので、それほど忙しくない今年は積極的に潰していくことにしました。ちなみに現時点で登録されているモノの中では屋久島と沖縄、小笠原、富岡製糸場が残っており、グンマーと迷ったのですが、天気が良さそうだったのでこちらにしました。結論から言えば、本当に行って良かったです。実質2日間でしたけど、1ヶ月に35日雨が降るとか言われる(笑)屋久島で絶好の天候に恵まれましたからね。
屋久島へは直行便がないので、とりあえず鹿児島へ飛び、一番安いフェリーで向かうことにしました。何と3600円。飛行機だとここに万札がついていきますから、おそらく最安値でしょう。しかし安さの裏には理由があり、この船は言わば夜行フェリーなのです。夕方出発し、種子島で停泊、一夜を明かした後、早朝に屋久島に着くようです。実に13時間の船旅で、揺れる船内で寝られるかどうかは悩み所ですが、どうせ夜着いても寝るだけですし、屋久島に朝一で着いて活動できるような交通手段は他にありません。移動と1泊素泊まり料金も込みだと思えば、これほど良い条件はないでしょう。寝不足登山は富士山などで経験済みですしね。

・・・観光案内所が開いていないorz

宮之浦港に朝7時に到着したものの、基本そういう施設は8時からなので、1時間の空白ができてしまいました。幸い船着場でパンフやバスの時刻表などは入手できましたから、別の観光案内所まで少し歩きつつ、計画を立てます。どうやら一番行きたかった縄文杉は、この時間の動き出しでも到達不可能で、登山口に入るには翌日朝4時とかに起きてバスに乗る必要があるようでした。つまり、前日夜までに別手段で屋久島入りを果たしていれば何とかなったということです。安さに踊らされたか・・・しかしここで挫けず、この日は次善策である白谷雲水峡に行くことにしました。冒頭の写真の場所で、映画「もののけ姫」のモチーフとなった場所でもあります。見ているだけで木霊が鳴りそうな、神秘的な気配を感じますな。半日コースのようなので、明日のトレッキングの肩ならしにはもってこいでしょう。8時になり、ようやく開いた観光案内所で飲み物とバス載り放題券(3日3000円)を買って、そのままバスに乗り込みました。
そのバスは港と白谷雲水峡を往復するだけのバスのようで、運転手さんも非常にサービス精神旺盛な方でした。路線バスなのに、いきなり停まったかと思うと「鹿がいます。」とか「ここの景色が良いです。」とか、道中の観光案内をしてくれるのです。流石世界遺産!そういえば、船着場に小学生が社会見学か何かの後に書いた壁新聞が印刷され、パンフとして「ご自由にお持ちください」と置いてあったのにも仰天しました。こういう観光地と地域教育のタイアップの仕方があるのか・・・名前を削って、地元のお寺とかスーパーに置かせてもらうのもアリかもしれませんね。
そんなこんなで9時に到着。最終バスは16時ですが、入り口の方によると「散策時間は大体4時間くらい」とのことでした。パンフによると、一番手前の屋久杉を見て戻るコースが2km1時間、それを飛ばして中間部の屋久杉地帯を見て戻るコースが4km2時間、一番奥にある太鼓岩まで行って戻るコースが5.6km4時間となっていました。よく見ると、いちいち戻らなくてもそれぞれのコースを全部回って戻ることも可能のようです。時間がかかれていませんが、距離で言うと7~8kmなので、コースタイム6時間といったところでしょう。まあ最大7時間まで時間があるわけですし、最初から全て回っていくことにしました。
川沿いの中央道はそれほどでもありませんが、屋久杉を見るためのコースに入ると結構な上り階段が続きます。ちなみに屋久島における屋久杉とは、「樹齢1000年を超える杉」のことを言うそうで、ここの木全部が屋久杉というわけではありません。最初のコースで見たのは「弥生杉」、次のコースでは「二代大杉」「三本足杉」などなど、それぞれの屋久杉に名前がつけられているようです。また、世界遺産登録20周年記念ということで2年前に屋久杉の名前を公募していたようで、「シカの宿」「かみなりおんじ」など、面白い名前がつけられていました。遺産を傷つけることなく盛り上げる、素晴らしい手法ですな。良質の木材となることから、江戸時代を始め近代までどんどん伐採されてきた歴史もありますが、切り株や捨てられた材木から新しい木が生えるなど、森の再生もどんどん進んでおり、特に世界遺産となったここ20年はしっかりと保護されているということが分かりました。1993年の登録は、法隆寺、姫路城、白神山地と並んで日本で最初の世界遺産登録地ですから、ココの運用の仕方は学ぶことが多いです。

辻峠という所に出て、太鼓岩まであと10分となりました。実はここから翌日チャレンジする縄文杉への道につながっており、立て札によるとおよそ1時間で楠川分れという所に合流するそうです。この時点でまだ2時間しか経っていませんでしたから少し行ってみたい気もしましたけど、楽しみは明日に取っておくことにし、荷物を置いて太鼓岩を目指しました。

山の頂上にどんと迫り出した太鼓岩からは正に絶景でした。手前右に写っているのが岩の一部、そして中央奥にそびえる山が、九州最高峰にして日本百名山の1つ、宮之浦岳です。グレートトラバースの人が行っていたので、ぜひ行きたかったのですが、流石に無装備では無理でしょう。この辺の道については、また後日考察してみたいと思います。
この岩もそうですが、屋久島自体がどでかい花崗岩でできており、白い岩の中に結晶のようなものが散らばっているような特徴的な岩をどこででも見ることができます。これ、「もののけ姫」の後半のシーンで、「黙れ小僧!」と叫んだモロの君が座っていた岩のモチーフなのです。その証拠に、「お前にサンを救えるか!」と言われたアシタカの背景の右側に、この写真の左に写っている沢が、その曲がり具合までそっくりに描かれているのです。

結局全部回ってもコースタイムの半分の3時間ちょいで戻ってしまい、次のバスが来るまで2時間近く待つ羽目になってしまいました。
屋久島の旅編、しばらく続きます。