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子ども向け娯楽

2014年08月24日 | 時事
富野由悠季氏、ガンダムへの思いを告白「大人から子どもへ戻したい」
確かに最近のアニメやマンガは読者の高齢化が激しい気がしますね。

ガンダム世代というのは30代後半から40代ぐらいを言うので、自分の代では兄がいる家庭で育った友人でないとあまり聞きません。もちろん新作はその間もどんどん出ているので、途中から見始めて過去の作品も全て見返しはまっていく元少年達がいたのは確かです。ガンダムは今年33周年のようですけど、最近は長く続いているシリーズ物が圧倒的に多く、子どもの頃にはまってそのまま抜け出せない人が多いのではないかと思います。

例えばコロコロコミックで言えば、自分は2年生の冬に買い始めましたが、6年生になった頃からマンネリ化というか、何か余り面白いとは思えなくなりました。好きだった作品が終わり、新しいおもちゃで新連載が始まっても、1から集める気が湧かないというか、中々乗り切れなかったのですね。戦隊ヒーロー物も好きで幼稚園の頃から見ていましたが、やはり3年生ぐらいにこの代変わりの機会に見るのを止めました。友人を見ていても、早いか遅いかはありますが大抵同じような時期にやめていたようです。「卒業した」という表現が一番しっくり来るでしょうか。
出版社側からすればこれは当然で、大抵雑誌には対象年齢というのが設けられていて、コロコロは明らかに小学生をメインターゲットにしているわけです。特にギャグは3年もすれば大抵は一巡してしまいますし、マンネリ化は避けられません。そうしたサイクルが、読者の成長サイクルにもぴったり符合していたのでしょう。自分が子どもの頃は長期連載と言われるものもせいぜい10年ぐらいで、アニメ化されたものはもっと短い期間でしかやっていませんでした。しかし、その中で「ドラえもん」や「サザエさん」のように、終わらないことで読者に「安心感」をもたせる作品も存在しました。まあ、それらも「声変わり」をきっかけに卒業した方は多いと思いますが(笑)

近年、そのきっかけを敢えて作らせず、「安心感」を求める傾向が非常に増えてきています。「ポケットモンスター」も、ゲームでは主人公キャラはもちろん変わりますが、アニメでは最初の主人公のサトシを延々と修行させることで、ひたすら見続けているわけですしね。一時期新キャラで特別編をやったことがありましたが、続かなかった所を見ると不評だったのでしょう。今後サトシとピカチュウがリストラにあったら、間違いなく卒業者が続出するのではと思います。マンガで言うと、最近は10年を超える長期連載が非常に多くなり、読み始めたときは子どもでも、そのまま買い続けて大人になっていたと言う現象が多くなった気がします。「ワンピース」ですら、自分の中では高校の頃に始まった1新人の新連載だったわけですが、もう17年も経ち、今やジャンプではこち亀の次の長寿マンガな訳です。「アレが終わったら買うのを止めよう」と思っている卒業準備生は多いと思いますが、商業的にそれを許さない構造になっているのですね。その結果、「卒業できない症候群」に陥る人が増えているわけです。実はこの「卒業した」かどうかは非常に重要な問題であり、例えばコロコロの例で言うと、出版社に対し「昔連載していた○○というマンガに同じネタがあった」というような指摘は余りないのではないかと思います。それは、既に卒業した作品にいちいち口出しするのはかっこ悪いし、わざわざする気も起きないからですが、「卒業できない症候群」の人達は、いつまでも作品にしがみついてきて、上から目線であら捜しのようなことをしてしまう傾向にあるわけです。

で、最近そういった層が肝心の作品に悪影響を及ぼしているのではないかというのが今回の記事の人の指摘です。商業的に言えば大人の食いつきがあったほうが儲かるでしょうけど、やはり根本は子どもに夢を売る商売であって欲しい、と願うクリエイターの気もちはよく分かります。そのために、多少つじつまが合わなくても絵や勢いを優先させたり、昔あった設定を多少変えてど派手に演出したりしていきたい、と言うのが本音なのでしょう。でも、大人の読者が残っていると、どうしてもそういうところに突っ込みを入れてしまうのですよね。自分もまた「このキャラかっこいい!」「このシーンの迫力が凄い」などというより、物語の伏線がどうの、世界観がどうのと言いたがるタイプなので、おそらくこういう方には嫌われてしまうでしょう(笑)
まあ、何だかんだ言ってもやはりアニメやマンガは子どものためにある娯楽だと言うのは間違いありません。読者には作品を楽しむ権利がありますが、クリエイターにもまた自分の好きなものを好きなように作る権利があります。要は、子どもはそこに口出ししてこないけど、大人は口出ししてくる。そこが大きな問題なのでしょう。何十年もくっついてくるファン層は、最早ヘリコプターペアレントのような存在なのです。作者からすれば「子どもの娯楽に大人が口を出すな」となるわけですね。


つーか、読者からすれば、先延ばしせず早くまとめて欲しい作品は数多くあるのですが・・・そもそもファン層を変えたいのなら、ガンダムをいい加減止めて、全く違う作品を作れば済む話なのでは?手塚治虫はそうしてきましたよ。