(株)カプロラクタム-blog

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けんぼうは1年生

2012年04月30日 | 心境
子どもに絵本を読み聞かせしていて涙が出たのは初めての経験でした。

この絵本は岐阜県出身の岸 武雄さんという方の作品で、作中に伊吹山が登場し、30年前には全国読書感想文コンクールの課題図書にもなった名作です。自分も1年生の時に初めて学級文庫にあったのを読んで、軽くトラウマになった本ですが、不思議とその後も図書館でこの本を見かける度に手にとって読んでいた覚えがあります。あと、あるページから後ろを読まないようにしていた記憶も・・・教員になってから、低学年を受け持った年には必ずこの時期にちゃんと全部読み聞かせをすることにしていますが、今年は妹の子が3才になったからか、年を喰ったからか、2度目の1年生だからか、3年生で亡くなった教え子の学年が6年生になったからか、もうボロボロでした。何人かつられて泣いてくれたことが救いかな?

「おとうちゃーん」
お父さんの帰りを待ち、駆け寄ってくる3才のけんぼう。
小さいけんぼうのためにも、長生きしなくてはと心に誓うお父さん。
しかし、それから間もなくして、けんぼうは交通事故で亡くなってしまう。
3年が経ち、お父さんはいつもの帰り道にふと思う。
けんぼうが生きていたら…「もう1年生だなあ」と。

岸武雄さんは今年亡くなったそうですが、あと半年生きていたら100歳だったそうです。つか99歳でも大往生ですね。やたらと交通事故が多かったこの4月、先人の如くには生きられなくとも、親より早く死ぬ不幸だけはもう二度と味わわせたくないと、この本を読む度に決意を新たにします。