(株)カプロラクタム-blog

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山陰の旅その2

2010年09月24日 | Weblog
萩を出発し、全てを石見銀山に捧げました。

というのも、萩から石見銀山までは150km。普通に3~4時間はかかる道です。秋吉台とか金子みすヾ記念館とか、山口には他にもいきたい所があったのですが、全てパスして12時過ぎに銀山へ到着。世界遺産センターでテンションを上げ、いざバスに乗って核心地へ。この日は基本的に平日だったため人の入りが少ないのではと思っていましたが、3つある駐車場の3つめの半分まで入る盛況ぶりに驚きました。休日に的を絞っていたら大変なことになっていたなあ・・・相当歩くので汗だくになることを覚悟し、短パンにTシャツで行ったのですが、この日山陰地方は寒気が流れ込み20度を切っていたため、むしろ寒かったです。まあ台風と前線がせめぎあっている最中、4日間とも雨に全く降られなかったのですから、文句を言ってはバチが当たりますね。つか、行程中決まって移動時や宿に着くと雨が降る、都合の良い晴れ男ぶりは旅行中ずっと健在でした(笑)

石見銀山は、400年前の世界に流通していた銀の約3割を産出していたというまさに「金(銀)のなる山」だったそうです。普通は取れた銀鉱をどこかへ運んで精錬するですが、ここでは灰吹法という技術を使いその場で銀を精錬できたため、運ぶ手間が要らず、良質の銀を大量に生成することが可能となったとか。そうなるとやはりその土地で生活しながら仕事をする人が増えていくわけですから、ふもとの鉱山町もどんどん栄えていったというわけです。その鉱山町の入り口から、一般公開されている龍源寺間歩までは3kmほどの緩やかな上りの道になっています。平日だったので小学校も普通にやっていました。途中から山道になり、至る所に穴が掘られていましたが、人一人入れるかどうかと言う大きさで、その全てに柵がしてありました。間歩とは鉱脈を見つけるために掘られた穴ですから、大きく掘るとその分無駄になるため、基本的には直径60cmほどの穴が多いようでした。掘った後はエビの様に後ろ向きに出てきたそうです。

んで、メインの龍源寺間歩は、1.5mほどの大き目の穴になっていて、少しかがんで入るくらいの所でした。鉱脈に沿って細い穴が掘られていて、丁度ありの巣のような感じでしたね。あと、その穴を照らすように所々照明がついていましたが、その光のあるところだけにコケや草が生えていました。

こんな所でも光合成して生きていこうとする植物のたくましさを実感しますね。

最後に、100年前に作られたと言う精錬所跡を見てきました。この時代には既に殆どの銀を取りつくしていて、立派な精錬所だったのですが採算が合わずわずか1年で廃鉱となってしまった模様です。今の技術なら、山自体をパワーショベルなどで掘り崩して手当たり次第銀を探すことも可能でしょうけど、当然それだけのことをしようとすれば莫大の費用がかかってしまいます。昔は手作業で掘っていたため、時間はかかりますがその分銀脈を狙い済まして採取することができ、コストパフォーマンスが良かったのでしょうね。山を叩き、その音で銀脈を探すとか、今で言う超音波探査のような技術をもった人もいたそうです。もちろん働いていた人は相当劣悪な環境の中にいたわけで、いくらもらえたかは知りませんが今では到底できないでしょう。やはり昔の人の知恵や努力はすごいものがありますね。

いくら取り尽したと言われても、やはりまた掘ってみたいと思うのが漢のロマン。お金貯めて掘削機でも買おうかな(笑)