月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

初めての「帰宅組」

2020-02-13 | 癌について
激しい雨音を聞きながら、眠気と闘っていた。
夜中の2時前、あと一息の原稿を残して「もう限界だ」と布団に滑り込んだ。
「3時間だけ眠ろう・・・」と、5時に目覚ましをかけて。

そんな日がもう2日も続いていた。
どうしてなのか、理由は明らかだ。
8日にやるべき原稿を残したまま、夫と飲みに行き、9・10日と三重県にキャンプに行き、「今日は死ぬ気でやらないと間に合わないねん」と言っていた11日も夫とずっとYouTubeを見て過ごしたからだ。
仕事をさぼって遊び続けた結末がこれ・・・。
キャンプはもともと予定に入っていたからいいのだが、8日と11日に予定通り仕事をしていればこんな目にあわなかったのだ。
仕事量が多いわけでもない。ただ、さぼった。そのツケがまわってきただけのこと。

後悔しながら11日の晩にパソコンに向かい始めたが、もう遅い。
今日から入院だというのに、ほとんど眠らず追われ続けた。
それでもまだまだ原稿を残したままで、気持ちも体もスッキリしないなぁと憂鬱な気分で病院に行った。

決してそのせいではないのだが、今日、入院できなかった。

朝、夫に車で送ってもらい、採血して入院手続きを終え、検査結果が出るまで1時間半待った。
ようやく呼ばれて結果を聞くと、先生は「今日は入院無理やね。せっかく来てくれたけど帰ってください」と言う。
「え!もう決定ですか?」
「はい、決定。この数値では無理やわ」
指さされた数値を見ると、好中球数が800ちょっとだった。
この病院では1000を切ると抗がん剤を受けさせてくれない。
今回は“底”の時期が400台だったので、4週では戻らないだろうと5週にしていたのに、それでも1000に達しなかった。
いくら少数精鋭だろうが「数値」が基準なので従うしかない。
1週間延期し、20日~23日の入院になった。

まあ、予想できていたと言えば、できていた。
前回の5クール目も5週で1000ギリギリだったのだ。

数値が正常値に戻り切らないうちにまた投与する。

副作用の骨髄抑制で白血球や血小板が減って、投与から10日くらいが“底”になる。

少しずつ増加するが、また戻り切らないうちに投与する・・・

この繰り返しなので、回を重ねるごとに数値が減るのは当たり前。
しかし、なんとか6クールまで予定通りに進めたかった!
初めての「帰宅組」だ!
そんな悔しい想いもあり、次のスケジュールを組んでいる時、私ががっくりしていたのに気づいたのか、看護師さんが励ましてくれた。
この看護師さんは前回も元気で優しくしてくれたのでよく覚えている。
ああ、またあの人だ、と思った。
「6クール目まで帰らされたことなかったんですか?」と聞くので、うなずくと、「2クール目、3クール目でも数値が戻らなくて入院できなくなる人、たくさんいますよ!むしろ、6クール目まで順調だったなんてすごいです」と言ってくれた。

病人は、こういうちょっとした言葉に救われるものなんだなぁとしみじみ思う。
自分が特別にどこか悪いわけではない、むしろ大丈夫なほうなんだと思わせてもらえることが、こんなにも嬉しいなんて。
やっぱりこの看護師さん素敵だなと思い、そんなやりとりだけでかなり気持ちも回復して帰宅した。

帰るともう13時をまわっていて、家と病院を往復しただけなのに、どっと疲れを感じた。
こうなるとわかっていれば、あんな徹夜に近いことをしなくてもよかったのに・・・と思ったが、こればかりは仕方がない。
それに、入院と副作用のために1週間空けていたので、明日から予定ががら空きだ。
急に休みをもらえたような気分でもある。

とはいえ、原稿はまだまだあるので、この1週間でぼちぼちやり切って、来週こそ気持ちもスッキリ、体も完全に戻った状態で治療を受けよう。

白血球を戻すにはどうすればいいのか。
「免疫力アップ」などで検索もしてみるが、これといった対処法はないようだ。
とりあえず、早寝早起き、軽い運動、体にやさしい食事、瞑想、水素吸入、ゆっくり入浴、体を温める、ストレスをためない、よく笑う、という「根拠はないけど良さそうなこと」を意識して1週間やってみよう。

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