月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

自分だけの美学

2013-12-27 | 生活
今日は珈琲豆と、長財布と、それから自分の制作した冊子が届いた。
早速、豆を挽いて、柴田雅章氏の珈琲カップで飲む。ほんのひとときの贅沢時間。

窓の外は曇り空。
家の中も暗い。そして散らかっている。

長財布は自分へのご褒美。
いろいろ怠惰で、どうしようもない日々を送ったこともあったけど、それでもこの秋はよく頑張った。
今の財布も3年間使ったし、これくらいの贅沢はいいだろう。
ずっと欲しかったATAOの長財布。1ヵ月半待ちで、やっと今日届いた。
大切に使おう。

しばし、財布を眺め、エナメルのつるつるとして冷ややかな手触りを確かめた後、冊子を開いた。
第一印象、「あんまり印刷の質が良くないなぁ」とは思ったが、私のヘタな写真がごまかされるので、まあいいとしよう。

今はちょっと読む気にはなれなかったが、
80ページをパラパラとめくる。



たった一人で作った。
紙面構成、取材、撮影、ライティング、20社とのアンケート取材、デザイナーとのやりとり、クライアントとのやりとり、20社分の校正とチェック依頼、修正・・・

・・・ほんま、大変やった。

プロのカメラマンがいて、ディレクターがいて、私にもう少し余裕があれば、もっといいものができたのになぁと、冊子を見ながら思う。
写真の向きや、ちょっとした言葉。いろいろ気になる点がある。
残念だが、これがあの時の私にできる限界だった。仕方がない。
救いは、クライアントに喜んでいただけたこと。だから、いい仕事ができたと自分を褒めてやろう。

完璧にできないカンペキ主義なんて、しんどいだけやなぁ。
もう少し自分にやさしくていいのかな、私は。

昨夜は夫と話していて、来年の目標に「交渉力をつける」というのもプラスすることにした。
自分の手の内を全部見せてゲームをするので、いつも相手の言いなりになってしまう。
それに、人を信じやすい。

これは笑い話だけど、先日、Y澤さんが右手首に包帯を巻いていた。
「どうしたんですか?」と聞くと、
「来る途中、3才の男の子が、バイクに乗った悪そうな男3人に絡まれていて、助けに入ったら、右手首をやれって3人でここを集中してやられたんや」と言う。
「えー!すごい!ドラマみたい!そんなことってあるんですねー。Y澤さん、すごい!大丈夫ですか・・・」と興奮している私を遮るように、Y澤さんは大笑い。
「そんなわけないでしょー!こんな話、信じる人がおるんやね!」
そこで、ようやく騙されていたことに気づいた私。

Y澤さんはずっと笑っていた。
「3才の男の子にからんで得することないでしょ?」
「手首だけやれっておかしいでしょ?」と。
それもそうだ・・・。
恥ずかしくて、カーッとなった。
(で、実際は、狭い部屋で寝転がって、腕で頭を支えてテレビを見ていたら、そこに負担がかかりすぎて痛いのだそうな)

たまには人を疑うことも大事だし、「この人、信頼できないな」と思っている人の仕事なんて、受けたらダメだ。
それができないから、いつも馬鹿を見る。
だけど、常に疑心暗鬼になって生きるのもイヤだしなぁ・・・。

本音とタテマエ、社交辞令、裏のある話、調子のいい依頼。
そういうものを見抜けるようになりたいし、上手に交渉もできるようになりたい。
夫にいろいろとダメ出しされる。
夫は交渉がとても上手。そして、人に嫌われない。きっと完璧じゃないのがいいんだろうな。
スキがあるように見せながらも、実は自分に利を持ってくるように交渉するのが本当に上手だ。
私が仕事でこんなことがあって、私はこうして、こういうメールを書いて・・・という話をすると、
「100点満点で、5点!」と言われた。
私がやるのはいつも最低の対応らしい。
自分のカードを全部見せて、相手を有利にさせているだけ・・・。
馬鹿みたいにまっすぐ誠実に人にぶつかってるだけじゃ、人は動かない。
「一長一短やからな。それがかおりのいいところでもある」と夫。

そやけど・・・。
仕事のことくらいはもう少し上手に交渉できるようになりたいと思うのだ。

交渉下手のためにお金には全然ならなかったけれど、とりあえず、冊子ができたことは嬉しい。ホッとした。
それにきっと限界まで頑張ったことは、私の力になっている。
久しぶりに原稿を書きまくるということもしたし、唯一人より優れているのではと自分でも思える「多処理能力(段取り力)」もMAXで発揮できた。
あの感じは久しぶりで、大変大変と言いながらも、思い返せば楽しかった気がする。

1月もたぶん同じように書きまくる毎日。
2月からはまだ何も決まっていないので、今年作った実績を持って、いろいろ営業をかけてみようと思っている。

自分はライターに向いていないのでは・・・。才能などない・・・。どこからも求められない・・・。
そう思って苦しんでいた時期もあったけど、今は吹っ切れている。開き直り、というのか。
前にも書いたけれど、「17年も書き続けられたこと」。
それこそが一つの才能なんだと、そう思っていいのだと・・・いや、そう思うことに決めた。

今年は2冊も丸々自分だけで書いた冊子ができてよかったなぁ。
3月までには同じく丸々書く冊子が、あと2冊できる。

酒屋でバイトするとか言うのはもうやめよう(笑)
「書くことは、私を救ってくれた親友みたいなものやから、書き続けるねん。親友は裏切れない」
昨晩、夫にそう言うと、「かっこええなー」と言われた。

夫も自分なりの美学がある人だけど、これは私の美学。
自分だけの美学って、大事だなと私は思うのだ。
他人には理解できなくても。

さー、年内仕事もあと2日。
がんばろう。

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