月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

姫の一時帰国

2012-07-17 | 生活
あのお方が今年もシンガポールから帰って来られました・・・

あのお方・・・姫。
そう、私の姉でございます。

姫は私より3才上。
心優しく見た目がめっちゃ若く、仕事のできるダンナさん(てっちゃん)と、娘(中2・ひなの)の3人家族。
てっちゃんの仕事の都合で、2年半前からシンガポールに住んでいる。
夏休みには毎年一時帰国する。

昨年夏、我が家に招待したら、姫モード全開で、大変な目にあった
もう二度と招待しないでおこう・・・と思っていたが、秋にこちらがシンガポールへ遊びに行ったら、とにかく本当によくしてくれた。
細やかな気遣いあり、美味しいものを食べさせてくれ、いろんなところに付き合ってくれ・・・
おかげで私も夫もシンガポール旅行を存分に楽しめた。

姫はとにかく真面目なのだ。
「シンガポールまで来てくれた人を最高におもてなしするのが人として当たり前」と思っているので、その義務を果たそうと必死にやってくれる。
さすがにその姿を目の当たりにしてしまったので、今度はこちらがおもてなししないわけにはいかない。

私は子供の頃からの付き合いなのでちょっとした不信感をもっているが、夫は単純に「ねーちゃん、いい人やなぁ。俺はなんとしてもねーちゃんに最高のおもてなしがしたいねん」と言う。

それで、この間の土曜日に、とりあえず京都和食へご招待した。
姫は私よりも美味しいものに執着があり、食にとってもうるさい。
私も京都ならいろいろいいお店は知っているが、姫、てっちゃん、ひなの、うちの両親、私と夫の7名という大所帯だ。
おいしいだけでなく、7名が入れるお店でなくてはならない。
そうなるとかなり絞られてきて(基本的に私はカウンターのお店が多いので)、結局「御幸町つばき」にした。
2階にテーブルがあるので、7名でも大丈夫とのこと。

当日。

同じ電車に乗り合わせて、京都へ。
ひなは少し大きくなっていた。(背がちっちゃいのだ)
姫も「ありがとうね~」なんて言って、ゴキゲン。
「いっぱい食べたいから、朝ごはん抜いてきたからね」と笑うのが怖かったが・・・

お店に着き、2階のテーブル席へ案内された。
ひなは子供の頃はいつも「かおりちゃんの横~」と言って私から離れなかったのに、最近は私の夫がお気に入りで(やさしいから)、夫から離れない。このときも隣に座った(くそ~)

さて。
私には一つ不安があった。
それは、6月に予約をしたときは、2100円のコースと3900円のコースがあり、3900円で頼んだのだが、7月になってお店のHPを見てみたら、2100円と5250円のコースに変更されていたのだ。
最初に店員の女性に「どうなるんですか?」と尋ねてみたら、「予約されたのが3900円なので、そのコースになります」という。

うーん・・・
値段はそれで理解したけれど、内容はどうなるんだろう?
HPには細かくメニューが載っていて、意地汚い私の一族はみんなそれを細かく見て楽しみにしてきたのだ。
夫は「別に5000円のコースに変更してもいいんちゃう?」と言っていたのだが、さすがに7名分も支払うとなると結構な額になるし、料理ももう当日変更はききそうにない雰囲気だったので、私は黙った。

まあ、楽しく食事ができればいいやん、と思ったのだ。

すると、姫が店員に「え?3900円のメニューってどんなのですか?」と説明を求め始めた。
その店員もちゃんと「先付けがこれ、焼き物がこれ・・・」という具合に説明してくれたらいいのに、私たちが3900円で5000円の料理を食べようとしていると思ったのか、めっちゃ上から目線で
「3000円しかいただかないのに、5000円のお料理をお出しするわけにはいきませんから。それはおわかりですか?」
と言った。

あちゃー・・・嫌な予感

「いや、それはわかってるし。何?めっちゃ偉そうやねんけど」←姫

・・・やった!

向かいに座っていた夫が、横でフォローするが、なんともならない。
店員もカチンときて、さらに上から目線で話をする。
姫は姫で、人が一番ムカッとくるような言い方で話をする。

「まあ、いいやん。もうそれで・・・。まあまあ、ねーちゃんもそんな言い方しないの!」

ケンカっぱやい私が「マアマア」とたしなめるってどうよ?

店員は怒りながら引っ込んだが、壁一枚で筒抜けやのに、
「何あの態度?めっちゃ上から目線ちゃう?」と大きな声で姫は怒っている。
うちの母までが「そうねー。あの言い方はダメねー」なんて言ってるし・・・。
頼みの綱の夫まで「あれはあかん」と同意している。

はぁ、はぁ・・・もう心臓に悪いからやめてよ

私がたまに店とか人にブチ切れるとき、周りの人ってこんな感じなんやなぁと、心から反省した。
私はもうなんとかこの場を楽しく食事してほしくて、店員の態度なんてどうでもよかった。
食事はこれからやっちゅうのに、こんなので嫌な雰囲気になったらもったいないやん・・・
(私も大人になったなぁ。前なら誰より先にひと暴れしていたのに!)

とりあえず、姫をたしなめ、いやーなムードに包まれて食事が始まった。

でも、食事はとても美味しかったのだ。









↑これなんて、夏らしい団扇の器でいい感じ。
鮎も美味しかった!



最後は煮穴子の釜飯で、おかわりもたっぷりあり、3杯も食べられた(満足じゃ)。
デザートが水物とわらび餅の2種類あったのも嬉しかったし。

料理がおいしかったので、姫の機嫌も少しよくなり、最終的には楽しい時間を過ごすことができた。

店を出ると、ちょうど京都は祇園祭。14日は宵宵宵山。3連休ということもあり、すごい人だった。
が、ひなはまだ一度も鉾を見たことがないというので、長刀鉾だけ見に行った。
これがまたすごい人で・・・

それから、ケーキを食べたいということで、「オ・グルニエ・ドール」へ。
ここのケーキは本当に美味しい。京都一なんちゃうか?
広いサロンもできたということで、そこにはまだ行ったことがなかったから、行ってみようということになった。

姫はお菓子が好きだ。
小林かなえや津田陽子といった、有名な先生のところで何年もお菓子作りを習い、日本にいたときはクラブ・ハリエでアルバイト(製造アシスタント)をしていた。

グルニエ・ドールも当然、大好きなお店で、喜んでいた。
ショーケースの中に並んだケーキを選んで店員に伝えてから席に座るのだが、姫とひなのはいつまで経っても席にやってこない。
どうやら端から端まで全部細かく内容を聞いて選んでいたようだ


私は赤い実のタルトを頼んだ。

ここのケーキはフルーツもクリームもとにかくフレッシュで、私のあまり好きじゃない「既製品の味」がしないのがいい。
姫も大満足だった。

私の家族は食いしん坊なので、すぐに「ちょっとちょうだい」と言う。
姫は全員のケーキを「ちょっとちょうだい」と言って食べていた。
お互いに「ちょっとどうぞ」「ちょっとちょうだい」と言ってケーキをまわし続ける。
結婚して最初の頃、夫はこんな家族に戸惑っていたようだが(たぶん、夫は男ばかりの3兄弟だし、こういう習慣がない)、
今では慣れたもんで、姫にも
「あ、じゃあ、ちょっとください。こっちもどうぞ
なんていう具合に、ケーキを交換している。

夫が順応性のある人で本当によかった。

結婚して最初にうちに来たときに、自分がお土産に持ってきたハーゲンダッツのアイスを誰も譲ってくれず、ジャンケンして取り合い、あまり好きでない抹茶味を食べさせられたときは衝撃だったと思う。
でも、今では率先してジャンケンに加わり、遠慮なく好きなアイスを選べるようになった。

また、うちで焼肉をするときも、最初の頃は遠慮して箸をなかなか出さなかったのだが、「この家では遠慮していたら肉を食べられない」ということに途中で気づき、今では肉が焼けると「あ、すんません」なんて言いながらサッと箸を出すようになった。

一度、うちの両親と居酒屋に行ったときには、父が海ぶどうを一人でざくっと箸でつまみあげ、一口で全部食べてしまったことを今でもやや根にもっているようで、時々思い出したように、「あのとき、お父さん、海ぶどうを全部食べたよな・・・びっくりした」と言う。
それ以来、「うちの両親と食事に行くときは、とりわけ式の居酒屋はやめよう。一人ずつのコース料理にしよう」ということになった。

まあ、仕方ないかな。
夫の実家に行くと、お母さんがとにかく世話を焼いてくれる。
「もっと食べる?」「あれいる?」「お菓子食べる?」「ビールはどう?」「もっと作ろうか?」「お茶いれようか?」
まあ、私がいるからということもあるだろうが、少なくとも夫の実家ではお客さんを差し置いて食べ物を取り合うなんていうことはない。
「かおりさん、どうぞ」と何でも先に分けてくれる。(当たり前か・・・)

しかし、我が実家は弱肉強食の世界。
あまりの違いに戸惑っていた夫も、結婚5年目にしてようやく慣れてくれたように思い、姫とケーキを交換しているのが微笑ましかった

と、そんなわけで、最初にややトラブルはあったものの、楽しい家族会を催すことができた。
姫とひなのは8月5日まで日本にいる。
今回の帰国は、ひなのの学校見学も兼ねている。
もしかしたら、この年末で帰国するかもしれないので。
向こうでは理科と社会を全然やっていないので、同志社か立命館の帰国子女ばっかり集まるような学科に行かせようかと思っているみたいだ。

この話は長くなるのでまた改めて書こう。

とりあえず、こちらにいる間に、姫とひなは1日だけうちに泊まりに来ることになった。
「泊まりに来る?」と聞いたら、すごく嬉しそうだったので意外だった。
ちょっと怖いけど、まだシンガポールでのお礼は済んでいないので、次は我が家でおもてなしする。
昨年夏は、せっかく寿司を握ってあげたのに、うなぎと海老の鮮度がイマイチだと文句をつけられたので、今年はどんなにお金をかけてもいいネタを仕入れてくるつもりだ。
夫も自慢の燻製をやるといってはりきっている。

またどっと疲れそうだが、がんばるぞ

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