月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

ご機嫌な1日

2021-08-20 | 生活
夏の太陽がじりじりと皮膚を焼く、あの感じをもう忘れそうになっていた今日、朝からようやく青空が見えた。
明るい光が窓から差し込んでくる朝は久しぶりで、「朝ってこんなに明るかったんだ」と思った。
それくらい長い間、曇り空と雨が続いていたから。
それにこの青空も光も束の間のことで、またしばらく曇天が続くようだ。週間天気予報の「晴れ」マークが恋しい。

ともかく、今朝は久しぶりにベランダに洗濯物を干した。浴室乾燥機でも乾くことは乾くが、やはり日光で殺菌したい。お日様の匂いがほしい。

昨日は美容院へ行った。
人気の美容院なので、いつも「そろそろ行きたいな」と思ってから2週間後しか予約がとれない。
今回も本当はお盆休み前に行っておきたかったのだが、その時すでに最短で19日しか空きがなかった。

梅田まで出て、予約時間まで少し余裕があったので、阪急百貨店の7階へ。
私の好きな「くらしのギャラリー」というコーナーがあって、いつもそこで器を見て過ごす。
でもここへ行くのも本当に久しぶりだった。(最近は何かをするたび、どこかへ行くたびに「久しぶり」だと思う)

夏だからか、太田潤さんのガラス作品が多く並べられていた。
お蕎麦などを盛り付けるための、やや浅めのガラス鉢が欲しいなと思ったが、もう食器棚もいっぱいなので見るだけで我慢。

遠目で見て、舩木先生の作品かと思って近寄ると、お弟子さんの村松学さんのものだった。
作風は似ているが、やはり近くで見ると違う。それぞれの個性がちゃんと出ているのだなと思う。
今は西川孝次さんのワイングラスをねらっていて、それも私がほしいなと思っていたのと同じようなものがあったので、手に取って迷ったが、やはり別の懇意にしている店で買おうと思いとどまった。

ここは私の好きな民藝の流れを汲む作家さんのものが多くて、見ていて飽きない。
河井喜一さんの河井家独特の釉薬はやはり好きだし、前野直史さんのスリップウェアや粉引なども惹かれるものがある。
1つ1つをかなり長い間見ていたので、店員さんに声をかけられた。
「お好きなんですか?」
「あ、はい。すみません」
なぜか謝ってしまう私。
「どうぞごゆっくり。気になるものがあれば声をかけてくださいね」
優しく言われてホッとした。

好きな器をずっとずっと見ていたいなぁと思う。
それだけで幸せで、久しぶりに豊かな時間を過ごしているなと感じた。(また「久しぶり」だ)

美容院の時間が迫ってきたので、アルミのざるだけ買って阪急を出た。
ざるはキャンプで使おうと思っている。道の駅で買った果物など洗って置いておくだけでも映えることは間違いない。

1階の売り場のほとんどが休業中で、アクセサリー売り場のショーケースに布が掛けられている間を歩いていると変な感じがした。普段、にぎわっているはずの場所が静かだと、なんだか寂しくなる。

美容院で髪を切り、白髪染めをした。
感染予防のため共有する雑誌などはないので、手持ちの本を読む。
髙田郁さんの小説「あきない世傳 金と銀」の最新刊だ。

帰りに成城石井へ寄って、チーズや小籠包などを買った。もう夕方だったので、晩ごはんは手抜きさせてもらった。

「今日機嫌いいなぁ」と夫に言われた。
ゆっくりと好きな器を見て、髪をきれいにして、家事を省略させてもらったからかもしれない。確かにご機嫌だった。
夜は残っていた白ワインを飲みながら、小説の続きを読んだ。
結局、一気に読み終えた。
はぁ~、今回はいい感じの終わり方でよかった。まだまだ波乱はありそうだけど。
ほんと面白い本だ。世の中の人が全員読めばいいのに、と思う。「なんで読まないんですか?」と聞いてまわりたいほどだ。

他にも読みたくて買ったが追いつかない本がまだたくさん部屋にある。いわゆる積読だ。
とりあえず次は朝井リョウの「正欲」を読もう。
映画化に合わせて原田マハの「キネマの神様」も買っちゃったし、宇佐美りんの芥川賞受賞作「推し、燃ゆ」も、今どきの21歳がどんなものを書くのだろうかと興味で買ってしまった。(1時間で読み終わりそう)

しかし、自律神経失調症がひどくなっているのか、「本」のことを考えるだけでお腹が痛くなってくる。(くだす)
心が動くと、ダメだ。
昨日も梅田で3回トイレに駆け込んだ。
もう二度とカフェで仕事なんてできないな。
ほんと生きづらいさ。