治療も入院もしない時間が1ヶ月以上続くと、自分がガン患者だということをつい忘れてしまう。
副作用の痺れがあと少し残っているくらいで、痛みも何もないから余計にそうなる。
コロナ感染が少し収まってきた時期と合致したものだから、人と会うこともできるようになり、それでますます勘違いした。
この2~3週間、もうすっかり「治った気分」になっていたのだ。
先週金曜日、予約していたセカンドドクターのところへ行ったのだが、前日はやめようと思っていたお酒を飲んでしまっていたので、少し自己嫌悪に陥っていた。
行きの電車の中で考えていた。
あれ? ガン再発で生活を変えたんじゃなかったけ?
ガンのメッセージを考えるんじゃなかったっけ? もう答えは見つかったのか?
この感じ、前と同じじゃないか。何も変わっていないじゃないか・・・。
先生に「最近はどうですか?」と聞かれたので(最近は高濃度ビタミンC点滴と簡単なカウンセリングみたいなものをしてもらっている)、正直に今のモヤモヤした気持ちを話した。
何をしていいのかわからない。
前と同じ生活に戻ってきている。
ただ焦りだけがある・・・。
すると先生はベストセラー『7つの習慣』からの引用で、「重要」と「緊急」のマトリックスを簡単に書き、「今、あなたに必要なのはここの部分だね」と第二領域(重要かつ緊急ではない)を指した。
言われてみると、最近の私は最も無駄な第四領域(重要ではない・緊急でもない)のこと、つまりは「暇つぶし」ばかりをしていたように思った。
かといって、第二領域に当てはまることで何をすればいいのかわからない。
そう自分を分析すると、先生は何でもないことのように言った。
「今やるべきことは、食箋と温浴でしょう?」と。
その言葉を聞いて、ハッとした。ガーンと殴られたような気分にもなった。
私はまだ「ガン患者」だった!!
今は休薬中というだけで、治ったわけではない。8月の半ばにはまた次の治療方針が決まってしまう。次の検査で良い結果を出して、これ以上は抗がん剤をしなくて済むようにしなければならない。
自分はステージ4で延命治療しかない、その治療法すら限られてきた、そういう崖っぷちの人間だと、どうして忘れていたんだろうかと思った。(本当にバカなのか?)
私は、カウンセリングの時に、もっと重要な「ガンのメッセージ」についてアドバイスをもらうつもりでいた。
人生において何をやりたいのか、今そのために何をすべきなのか。そんな類のことだ。それは、自分がもう治った気持ちでいたからだ。
でも先生にとったら、私は少しも治っていないガン患者で、崖っぷちにいる人だ。医者としてのアドバイスは、その崖っぷちから私を安全な場所へ引っ張る方法しかない。私が人生で何をやりたいかとか、生活をどうしようかとか、ましてやどんなものを書いていこうかなんて、先生にアドバイスができるはずもない。
横で私と先生の話を聞いていた瞑想の先生も、これはあかんと思ったらしく、午後の瞑想の時間に「こういうのはあまり好きじゃないけど、ワークをしてもらいましょう」と言った。
食箋、温浴、運動、そして「自分を褒める」。
この4つを自分のワークとして持ち帰り、やってくださいと。
目が覚めた。
次の検査まであと3週間、できるだけのことをやろうと誓った。
翌日、もらった「食箋」のレシピにしたがって、必要な材料を買いにいき、料理をした。
それを食べ、運動をし、温浴も始めた。
治療を受けていない今こそやるべきことは、自分の「治る力」、つまりは自然治癒力を高める努力をすることだった。
もう5日目になるが、朝ごはんはこんな感じ。
白湯からスタートし、人参と大根のすりおろしを混ぜたもの、小豆昆布、りんご、生アーモンド、熟成黒にんにく、サジージュース(ビタミンC)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/fa/f018a4ad1bfe71ce581e121bd31f3848.jpg)
朝ごはん以外はがっちりと決めていないが、玄米を食べ(これは前からだけど)、肉(牛・豚)と糖分(砂糖)はできるだけ控えている。
病気になったら肉と糖分はいったんやめる、というのは自然治癒力を上げるための本にはだいたい書かれていることだ。(もちろん病気でない人は食べすぎなければいい)
温浴は、いわゆる半身浴だが、「温→冷→温→冷→温→冷」と交互にする。(冷は水シャワーを手足にかける)
必ず最後は「冷」で締めることが大事だという。
温浴や運動の前には、干し椎茸と切干大根を煮出したスープを飲む。
ようやく病人らしくなってきたな、と思う。(今頃かい!)
いや、もちろんこの1年も、食事内容は変えていたし、瞑想や水素吸入などもしてきた。ただそれは、抗がん剤の副作用を軽減したいという気持ちが大きかったし、何より毎月治療をしているから「病人」だという意識がちゃんとあったのだと気づいた。
それが、休薬したとたんに治った気分になって生活が乱れて自己嫌悪に陥ってしまうのなら、もしこのガンが治ったところでまた数年後に再発してしまうだろう。
ちゃんと、自分の体と向き合って、自分の力で治すんだ。
いろいろ面倒だけど、これが今の私がやるべきことなんだと言い聞かせる。緊急ではない最重要事項だ。
とにかく3週間、やってみる。
しかし、小豆昆布のまずさよ・・・。
まずいっていうか、「味のしない餡」を想像してもらえればいいかと・・・。
5日続けたら、ちょっと慣れたけれど、まだ「おいしい」とは思えない。(ああ、痺れるほど甘いぜんざいと、塩辛い昆布ならどんなにいいか!)
でも、自分の立場とやるべきことを自覚したら、急に知りたかった「ガンのメッセージ」もわかったのだ。
それについてはここには書かないけれど、再発して1年経って、ようやく答えを見つけたから、もう大丈夫だという気がしている。
起こることすべてに必ず意味はあると、また思う。
副作用の痺れがあと少し残っているくらいで、痛みも何もないから余計にそうなる。
コロナ感染が少し収まってきた時期と合致したものだから、人と会うこともできるようになり、それでますます勘違いした。
この2~3週間、もうすっかり「治った気分」になっていたのだ。
先週金曜日、予約していたセカンドドクターのところへ行ったのだが、前日はやめようと思っていたお酒を飲んでしまっていたので、少し自己嫌悪に陥っていた。
行きの電車の中で考えていた。
あれ? ガン再発で生活を変えたんじゃなかったけ?
ガンのメッセージを考えるんじゃなかったっけ? もう答えは見つかったのか?
この感じ、前と同じじゃないか。何も変わっていないじゃないか・・・。
先生に「最近はどうですか?」と聞かれたので(最近は高濃度ビタミンC点滴と簡単なカウンセリングみたいなものをしてもらっている)、正直に今のモヤモヤした気持ちを話した。
何をしていいのかわからない。
前と同じ生活に戻ってきている。
ただ焦りだけがある・・・。
すると先生はベストセラー『7つの習慣』からの引用で、「重要」と「緊急」のマトリックスを簡単に書き、「今、あなたに必要なのはここの部分だね」と第二領域(重要かつ緊急ではない)を指した。
言われてみると、最近の私は最も無駄な第四領域(重要ではない・緊急でもない)のこと、つまりは「暇つぶし」ばかりをしていたように思った。
かといって、第二領域に当てはまることで何をすればいいのかわからない。
そう自分を分析すると、先生は何でもないことのように言った。
「今やるべきことは、食箋と温浴でしょう?」と。
その言葉を聞いて、ハッとした。ガーンと殴られたような気分にもなった。
私はまだ「ガン患者」だった!!
今は休薬中というだけで、治ったわけではない。8月の半ばにはまた次の治療方針が決まってしまう。次の検査で良い結果を出して、これ以上は抗がん剤をしなくて済むようにしなければならない。
自分はステージ4で延命治療しかない、その治療法すら限られてきた、そういう崖っぷちの人間だと、どうして忘れていたんだろうかと思った。(本当にバカなのか?)
私は、カウンセリングの時に、もっと重要な「ガンのメッセージ」についてアドバイスをもらうつもりでいた。
人生において何をやりたいのか、今そのために何をすべきなのか。そんな類のことだ。それは、自分がもう治った気持ちでいたからだ。
でも先生にとったら、私は少しも治っていないガン患者で、崖っぷちにいる人だ。医者としてのアドバイスは、その崖っぷちから私を安全な場所へ引っ張る方法しかない。私が人生で何をやりたいかとか、生活をどうしようかとか、ましてやどんなものを書いていこうかなんて、先生にアドバイスができるはずもない。
横で私と先生の話を聞いていた瞑想の先生も、これはあかんと思ったらしく、午後の瞑想の時間に「こういうのはあまり好きじゃないけど、ワークをしてもらいましょう」と言った。
食箋、温浴、運動、そして「自分を褒める」。
この4つを自分のワークとして持ち帰り、やってくださいと。
目が覚めた。
次の検査まであと3週間、できるだけのことをやろうと誓った。
翌日、もらった「食箋」のレシピにしたがって、必要な材料を買いにいき、料理をした。
それを食べ、運動をし、温浴も始めた。
治療を受けていない今こそやるべきことは、自分の「治る力」、つまりは自然治癒力を高める努力をすることだった。
もう5日目になるが、朝ごはんはこんな感じ。
白湯からスタートし、人参と大根のすりおろしを混ぜたもの、小豆昆布、りんご、生アーモンド、熟成黒にんにく、サジージュース(ビタミンC)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/fa/f018a4ad1bfe71ce581e121bd31f3848.jpg)
朝ごはん以外はがっちりと決めていないが、玄米を食べ(これは前からだけど)、肉(牛・豚)と糖分(砂糖)はできるだけ控えている。
病気になったら肉と糖分はいったんやめる、というのは自然治癒力を上げるための本にはだいたい書かれていることだ。(もちろん病気でない人は食べすぎなければいい)
温浴は、いわゆる半身浴だが、「温→冷→温→冷→温→冷」と交互にする。(冷は水シャワーを手足にかける)
必ず最後は「冷」で締めることが大事だという。
温浴や運動の前には、干し椎茸と切干大根を煮出したスープを飲む。
ようやく病人らしくなってきたな、と思う。(今頃かい!)
いや、もちろんこの1年も、食事内容は変えていたし、瞑想や水素吸入などもしてきた。ただそれは、抗がん剤の副作用を軽減したいという気持ちが大きかったし、何より毎月治療をしているから「病人」だという意識がちゃんとあったのだと気づいた。
それが、休薬したとたんに治った気分になって生活が乱れて自己嫌悪に陥ってしまうのなら、もしこのガンが治ったところでまた数年後に再発してしまうだろう。
ちゃんと、自分の体と向き合って、自分の力で治すんだ。
いろいろ面倒だけど、これが今の私がやるべきことなんだと言い聞かせる。緊急ではない最重要事項だ。
とにかく3週間、やってみる。
しかし、小豆昆布のまずさよ・・・。
まずいっていうか、「味のしない餡」を想像してもらえればいいかと・・・。
5日続けたら、ちょっと慣れたけれど、まだ「おいしい」とは思えない。(ああ、痺れるほど甘いぜんざいと、塩辛い昆布ならどんなにいいか!)
でも、自分の立場とやるべきことを自覚したら、急に知りたかった「ガンのメッセージ」もわかったのだ。
それについてはここには書かないけれど、再発して1年経って、ようやく答えを見つけたから、もう大丈夫だという気がしている。
起こることすべてに必ず意味はあると、また思う。