月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

人の生き様を垣間見る

2017-02-08 | 仕事
今週は、月・火・水と取材で、金が病院。
ついでに水・金が飲み会で、なかなか落ち着いて原稿を書く時間がとれない。

この1ヶ月くらいはずっと新卒の就活ナビサイトや採用パンフのラッシュで、私もそちらに集中していた。
1ヶ月で10本ほどやった。でも、それも今日で一段落。しばらくなくなるか、あっても月に1本程度に戻る。
いろんな業界のいろんな業種の企業を取材するので、連続でやると予習が大変なので、これで一段落すると思うとホッとする。

バルブメーカー、養鶏や農業、飼料メーカー、写真スタジオ、システム開発、人材マッチング事業、物流、店舗内装、マネキン製作など、本当に様々な業界の話を聴いた。
いろんな会社の社長や幹部役員の話を聞くのは勉強になる。
トップの話をじっくり聞く機会というのは、そんなにあるものではないので、ありがたい経験だなと思う。

若い頃からずっと人の取材ばかりしてきたので、この間ふと思ったが、単純に「取材した人数」だけでいえば、2000人は軽く超えている。
少なく見積もって年間100人としても、20年で2000人。
特に社内報を中心にやっていた頃は、毎月何十人もの人たちに話を聞いてまわっていた。(1人につき1本の長い記事になるわけではないけれど、単純に話を聞くという意味で)

この20年で、随分多くの人たちの「生き方」を垣間見せてもらったものだな。
例えば、自社工場が全焼して、人が離れていき、どん底になった社長の話。
ある人に「よかったね。誰も亡くならなくて。今なくしたものは全部取り戻せるものばかりだから大丈夫。君ならやれる」と言われて考え方や商売のやり形を変え、見事にV字回復させた。現在は過去最高の売上を出している。
ピンチをチャンスに変えられる人は強い。
そんなことを学ばせてもらった。

また、出会った人たちは皆、何かを愛していた。
仕事を愛する、商品を愛する、仲間を愛する、社員を愛する、お客さんを愛する。
私はそれを感じて言葉にする。
それを読んだ人に愛が伝わる。

「人が生涯で愛せる人数は限られているが、仕事を通せば愛は無限に広がる」
いつか読んだ本のフレーズを思い出す。
そういう仕事をしてきたつもりだし、これからもしていくつもりだ。

それから、いろんな人に接してきて「世の中はまだ大丈夫だ」と思うのは、2000人以上の話の中で一番多かったフレーズは間違いなくこれだからだ。

「ありがとうと言われることがうれしい」

自分の仕事に対して、人が「ありがとう」と感謝してくれる。そのことが一番うれしくて、一番の仕事のやりがいだと、そう語る人が本当に多いのだ。
人は、誰かに必要とされたいし、「人の喜びは自分の喜び」だと思えるもの。
それを感じて、取材帰りに反芻してほっこりして、ああ、いい仕事をさせてもらっているなと思う。

この世の中にそんなに悪い人はいないと思える自分は、きっと運がいいのだろう。(もしくはバカなのか)
騙すよりは騙されるほうがいいので、能天気に「みんないい人!」と思っている自分のほうが楽だ。
その結果、時々、めちゃくちゃ傷つくことがあるのだが・・・。
でも、この年齢になって思うのは、もうこんな自分は変えられないし、変える必要もないんだろうということ。
バカみたいに人を信じて、結果的に騙されることがあったとしても、98%くらいは信じてよかったと思えることなのだから、それでいいんだと思う。
2%のために、人の裏を読もうとしたり、駆け引きしたりはしなくていい。(どうせできない)

自分らしいのが一番だと、45歳になって、ガンになって死の淵を見て、ようやく思えるようになった。