鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

梅雨入り(2021)

2021-05-12 10:03:31 | おおすみの風景
昨日5月11日、鹿児島気象台は南九州が梅雨に入ったと宣言した。

例年が5月下旬から6月初めだから、相当に早い梅雨の入りだ。これは、これまでで二番目に早いそうだ。一番早かったのが1956年の5月1日だから、それよりは10日遅れだが、平年からすると2週間も早い。

今年の現象で同じように2週間ほども早かったものがある。それはソメイヨシノの開花だ。例年なら3月の下旬(最後の週)の頃だが、今年はたしか3月12日だった。

これだと卒業式シーズンにちょうど見頃を迎え、まさに打って付けの年になったはずだった。「はずだった」というのは今年も去年同様コロナ禍の中の式典となり、送る側の在校生の参列はなく、保護者も一人だけ、さらに来賓もなしという寂しい学校がほとんどだったのだ。

そのためかどうかは分からないが、NHKの歌謡番組で当の「桜」を森山直太朗本人が歌っていたのを眼にしたが、やはり卒業式本番の緊張感の中で歌うのとは違う、という思いで見ていた。


それより梅雨入りして二日続けて雨というのも珍しい。たいてい宣言当日は雨模様だが、その後1週間くらいは雨が降らないことの方が多い。


喜んでいるのが紫陽花だ。これはガクアジサイだが、今年は鉢植えにして春先から日のよく当たり、水道栓にも近い場所に置いて水を切らさぬようにしていたら、4,5日前からぽつぽつ開き始めた。

庭の菜園の野菜類も今のところ順調に育っている。

しかし油断は禁物で、去年は今頃苗を購入して植え付けたピーマンが、6月1日に入梅して以降、気温の低さと連日の雨で生育不良となり、花を着けることなく萎れてしまった。

今年はこの異常に早い梅雨の入りと降り続く雨で、同じ轍を踏みはしないかと危惧している。

それはそうと、まだ雨は降らず、時おり薄日もさしていた午前中、愛犬のウメを「洗濯」しておいてよかった。夕方餌を与えた時にはもう完全に乾いていた。

風呂場で洗っていて不思議だったのが、冬毛がほとんど抜けなかったことだ。桜が散ってからの4月中の気温の低さが冬毛を排除しなかった原因だと思われる。

桜の開花と満開が異常に早かったので、今年の春は高温、つまり夏日が早く来るだろうと予測したのだが、全く外れてしまった。全国的にもその傾向だが、鹿屋で25℃を超えた日はまだ数えるほどしかない。

いま降っている雨がいつまで続くのかは分からないが、続けば続くほど気温は低目に推移するだろう。

そうなると心配なのが「長雨」「冷夏」「台風」の三点セットだ。平成5年(1993)の夏がまさにそうだったが、あの年はコメが凶作で、平年の7割に満たなかった。「梅雨明け宣言」も撤回され、夏から秋にかけて1週間ごとに台風が到来し、鹿児島では「8・6水害」が発生し、9月3日には巨大台風13号が大隅半島を縦断して甚大な被害をもたらした。

コロナ禍も大変だが、あの時は個人的にはもっと大変だった。「天災が覚えているうちにやって来る」昨今だが、28年前のあの事態は二度と来てほしくない。