鴨着く島

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おしゃべりモンスターの勝ち?

2020-10-02 12:03:11 | 専守防衛力を有する永世中立国
9月29日のアメリカ大統領候補討論会(第1回)は事前に危惧されたような展開となった。

司会の進行によって交互に意見を交わすのが通例なのだが、現大統領のトランプは、対立候補のバイデンが意見を述べる傍から発言を遮っておのれの批判的意見を述べまくった。

相手の考え方がはなから気に入らないのは分かっていても、やはりここはぐっとこらえて言うべきことは言わせなければ討論にはならない。

これを「いつものトランプ節だ」などと見過ごしてはなるまい。いやしくも超大国かつ民主主義大国かつ自由主義大国のアメリカの最高権力者に近い者同士の討論である。トランプに節度はみじんも感じられない。

視点は変わるが、この罵詈雑言を聞いていたら、韓流ドラマで気の強いおばちゃんが、気にくわない相手に雑言を吐きまくるシーンを思い出してしまった。

この討論会を見ていたとしたら、「ドナルド」「シンゾー」と仲の良かった安倍前総理はどう思っただろうか。

「バイデンも大変だな。俺もあの騒々しいトランペットにまんまと乗せられてしまったんだよ」――と苦笑しているのではないか。

そもそも4年前の大統領選挙では日本の外務省の判断は「ヒラリーで決まり」だったのが、泡沫候補だったトランプが当選を果たして慌てふためき、シンゾーが足早にトランプタワー詣でをして事なきを得た上に、ドナルドのペットみたいになってしまった。

北朝鮮への制裁でも完全に右へ倣えで、独自に交渉はせずに指をくわえ、すべてをトランプと金正恩の会談に託しきって「ドナルド、向こうに拉致問題を提起してくださいよ」で済ましたため、金正恩からも見限られ、何とも不甲斐ない結果になったのだ。

第1回大統領候補討論会はアメリカのメディアも「最低だった」と論評している。これでトランプ票は確実に下がったと思うが、まだあと2回あるからどうなるかわからない。

アメリカ人の国民性では、フランク(率直さ)が非常に大きいから、トランプの目に余る「自己中的率直さ」も意外に評価されるかもしれない。

私はこのトランプの率直さに便乗して「日本は永世中立国になるよ」と言ってみたい。トランプだったら「いいんじゃないの。日本はそれが向いているよ」と、国務省やジャパンハンドラーたちの頭越しに「率直に」認めるかもしれない。