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ワイリー・ジョウブというアメリカの万華鏡作家は、日本ではあまり知られていないかもしれません。1987年から万華鏡の製作をしていますが、当時アメリカで進行しつつあった「カレイドスコープルネッサンス」の流れにも気が付かず、独自のアプローチでそのスタイルを築きあげました。19世紀の科学的な器具として生まれた万華鏡というスタイルで創られた作品の多くは、ポリアンギュラー(2枚の鏡の角度を変えることができるもの)のミラーシステムを取り入れ、ヴィクトリア朝の雰囲気の漂う、クラシックなスタイルが特徴です。確かな製作技術に裏打ちされた彼の作品は大きなものはフロアモデルから小さな手持ち型まで、いずれも高品質で完成度の高い作品ばかりです。ここでご紹介するのはTriad という小さなモデルですが、木材の加工がとても美しい作品です。手に入れた350年前の古いチェリーウッドの木材から作れるだけという限定版です。ドライセルにはランプワークによるガラスのオブジェクトやアンプルが入っています。2ミラーシステム、3ポイントの映像ですが、一部をマスキングしてユニークなデザインの映像になっています。古い万華鏡を研究して復活させたりする中で培った製作技術で、アンティークを含めた万華鏡の修復作業を引き受けている作家さんでもあります。
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