「下潮が動いていない」
「ジグに抵抗が掛からない。抜ける感覚が嫌ですね」
「上から下まで、活性を感じませんね」
今日の潮は、大苦戦の潮になっているようだ。
ポイントに入って、最初に潮の変化に気づいたのは、関屋さんとXさん。
冒頭の表現で、潮の変化を教えて貰える。
「それを聞いて、どう判断するか。勝負かな」
早朝に、船を走らせながら、魚探に出てくる反応を確認。
「これ面白い出方しているね」
「竿、出してみる」
「嫌、もう少し先に行ってみましょう」
そんな相談しながら入ったポイントは、ジグに反応が鈍かった。


それでも、色々と仕掛けを工夫、攻める範囲を限定して竿を出していく。


ウッカリカサゴが来て、数は少ないけれど、ポツポツと真鰺が来る。
ちなみに、ランニングとTシャツは、日中が熱かったからです。
潮の活性化が見られない時、極端にアタリが出なくなる事が多い。
それでも、諦めないで、しゃくり続ける。
魚の種類は問えないけれど、アタリを拾える事も多々ある。


女性の粘り強さを発揮して、捕らえたアタリは、丸々と太った鯖。
永友さんの粘りに、みんなが感心した瞬間でもある。
潮の変化を見ながら、ポイントを探していく。
潮が変わると、元気になってくる“さかな”が居る。
エソだ。

エソのアタリ連発に、関屋さん大苦戦。

やはり、粘り続けていたXさんに、アタリが来た。
「これは、良いかもよ」
でも、途中から引きが弱くなってきた。
「何だろう」

上がってきたのは、大きなイトヨリダイ。
お腹がパンパンに、膨らんでいる。
昼近くになって、ポイントを大きく変える。
「彼処なら、良いベイト反応があるかも知れない」
一縷の望みを持って、船を走らせる。
確かに、凄いベイト反応が出てきた。
その中から、強いアタリを捕らえたのが山元さん。

「ホール中に来ました」
竿先を、力強く叩くアタリ。
ラインも引き出される。
「ドラグ調整は、ゆるゆるにしてあります」
ゆっくりと、取り込む。

綺麗な、65センチの真鯛が、上がってきた。
船中の雰囲気が、一気に盛り上がる。

Xさんにヒットしてきたの、ニベ。
ベイトの正体は小イワシの様だが、良型の真鰺が付いていた。

永友さんに、良型の真鰺がヒット。
「アタリが来るんですけど、途中の強い引きで外れるんです」
関屋さんも、同じ事を言っている。
鰺は口が弱いから、大きくなると自分の引きで口が切れるようだ。
納竿前に、チョットした鰺のアタリ連発になってきた。
一時の、鰺の連発を楽しんで、港に帰る。
午後便「夕間詰め狙い便」のお客様と、交代する。
午前便のお客様をお見送りした後、出発。
「潮が変わっていると、良いですね」
潮の流れは、1ノット前後で上りが入っていた。
南西の風も、少し吹いているが、差ほどの気にはならない。
潮の流れに乗せて、船を流していく。
「期待を持てる夕間詰めになりますように」
海に向かって、手を合わせる。
最初のアタリは、東原さんに来た。
「来ました。イサキでありますように」
願いを込めて、リールを巻く。

上がってきたのは、良型のイサキ。
午前便では、アタリすら無かっただけ、その姿が見られて嬉しい。
佐藤さんにも、アタリが来た。


良型の真鰺が、上がってきた。
「久し振りの、魚の引きが楽しいですね」
嬉々とした笑顔が、輝いて見える。
しかし、潮の活性は、やはりイマイチなのだろうか。
急にアタリが、出なくなる。
流すコースを変えながら、ベイトを探す。
アタリが、少しずつ戻ってきた。


佐藤さん、東原さんに、真鰺のアタリが出始めた。
佐藤さんには、40センチ近い鰺が、ダブルでヒットしてくる。
徐々に、賑やかな楽しい釣りになってきた。
佐藤さんに、鰺とは違うアタリが来た。
「何だろう」
海面を見ていると、その姿が見えてきた。
「キジハタです」

良型のキジハタが、上がってきた。
「これは、嬉しいです」
益々笑顔が、輝いていく。
鰺、鯖、キジハタ、イサキと、ポツポツとアタリが来た。
しかし、周囲に夜の帳が、降り始めた。
「引き上げましょうか」
楽しい会話で、賑やかに引き上げた。