潮行きは、上りながら沖に払い出している。
少し流れが速い気はするが、そんなに釣り辛い潮ではない。
しかし、潮の色が変だ。
上り潮の筈なのだが、下り潮の菜っぱ潮みたいな色をしている。
前日の雨の影響だろうか。
水温が下がっているようで、ジグが冷たく感じられた。
菜っぱ潮は「イサキ潮」と、言う事もある。
理由はハッキリしないが、磯釣りの頃からそう呼んでいた。
だが一方では、青物のアタリは余り期待できない事が多い。
そんな状況の中、黒木さんに最初のアタリが来た。

体高のある、良型の真鰺。
山下さんにも、アタリが来た。


丸々と、太った鯖が上がってきた。
朝間詰め、ポツポツだがイサキもヒットしてきた。


真鰺も良型だ。

出足としては、まずまずの感じだ。
山下さんにアタリ。
「可成り上の方で当たりました」
長い魚体が見える。
「サワラですね」

これからの時期、釣果が期待できるサワラの釣果は嬉しい。
塩田さんにも、アタリが来た。


ウッカリカサゴが、上がってきた。
「今日は、カサゴ祭りですね」
アタリが来ると、上がってくるのはアヤメカサゴやウッカリカサゴ。
丸々と太った鯖も、ダブルでヒットしてくる。
山下さんが「瀬掛かりしました」と、竿をしゃくっている。
「それ、魚じゃないですか」
ラインが、音を立てて出ていく。


「大物かも」
みんなで期待して、山下さんを手助けする。
「見えました。尾長鮫です」
青物を期待していただけに、一寸力抜けする。

それにしても、この時期はこの尾長鮫が多い。
それだけベイトが寄っているのだろうか。
気を取り直して、ポイントを移動する。
今日は、調子が良い山下さんにアタリが来た。
ゆっくり巻き上げる。
「イサキですね」

良型のイサキが、上がってきた。
黒木さんにも、強いアタリが来た。
「今日イチのアタリかな」

ゆっくり巻き上げていく。
「真鯛かも知れない」
期待通り、上がってきたのは真鯛だった。

「初めて、真鯛を釣りました」
待望の真鯛を手に、笑顔が輝く。
昼前になると、南よりの風が徐々に強くなってきた。
今日は、青物のアタリは一度だけ。
しかし、やり取りの途中でリーダーが切れた。
その前にヒットしたエソの歯で、傷が付いていたのかも知れない。
チェックはしたのだが…。
前日までの青みの有る潮から、菜っぱ潮に変わり苦戦した一日だった。