珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

家庭教師2

2018-09-05 | 娘と夫の話
娘が英語の穴埋めテストで高得点だったと、うれしそうに答案を見せた。
理由を聞いたら
「家庭教師がとてもがんばった」だそうである。

そう。
実は家庭教師は、娘の数倍厳しく監督されて、プレッシャーとノルマをかけられているのである。
お金を払っている私がいくらゆるやかに見ていようと、派遣先は容赦しない。
学期の通知表も報告して、その結果に一番目を吊り上げているのは、子でもなく親でもなく担任でもなく、家庭教師でもなく、その先の派遣会社だったりする。
企業としての実績とプライドにかけているのだろうか。

私はその会社と契約する時、
「優等生にしなくていいです。ふつうでいいんです。でも「ふつう」のレベルには必ずしてください。お願いします」
睨んで笑って注文した。 
ガタイのいい、担当者の男がハンカチで汗を拭きながら「かしこまりました!」と言ったのを思い出す。

テキストを見ると四月には
「I'm a junior high school student を和訳しなさい」
という横に、ヘナヘナとした文字で
「わたしはサッカーがすきです」
と書いてあった。

「だってサッカーってSだなと思ったから」
と寝そべって答えた娘も、少しは身を入れ始めた。

彼女は英単語や数式より、「先生も尻を叩かれている」という大人の事情を察したのである。
そして月末に支払う金額が、自分の知っている経済のやりくりに及ばないことを理解したのである。

 勉強できても、これがわからない子もいるしなあ、と苦笑しながら思った。
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