珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

仕事の話

2018-09-09 | 仕事の話
日本の新幹線の清掃員が、そのクオリティの高さから、世界の賞賛を浴びているのは有名だそうである。
私も一度その映像を見て、テキパキとした無駄のない動きに感動した。
「合理的」とか「無駄がない」ということにそそられる人間には、たまらないものだった(笑)

出産を機に辞めるまで事務職をしていた会社は、人手不足なせいもあったけど、私自身がやりたくて、結局出産10日前まで満員電車に乗ってフルタイムで働いていた。
そんなに仕事が好きなら、子どもを保育園に預けてずっと働き続ければよかったんだけど、それは諸々を考えて選択しなかった。
だからこれが、人生で思い切り仕事ができる最後かもしれないと思うと、ギリギリまで働きたかったのである。

そして子どもが幼稚園に入ってホッとした時、またムラムラと働きたくなった。
ああ何でもいい!!働きたーーーい!!
だけど、育児に消耗される気力と体力と時間を残しつつ打ちこめる仕事となると、あまり選択幅がない。
とりあえず新聞のチラシ広告を見ながら、朝、幼稚園のバスの見送りに立って、午後のお迎えに立つまでの間にできるアルバイト的な仕事を探してみた。

その時、条件に合った仕事が「マンションの清掃員(共有スペース)」という、全く未知の世界の広告だった。
園バスは早バスと遅バスといって学期ごとに時間が変わるため、×時~×時の間なら出勤時間は自由でOKというのが目を引いた。

これやりたい!!
元来、身体を動かすのが好きなこともあったけど、当時、一人になって頭をカラッポにしてバットでも振り回したい心境だった私は、そう思った。

実際にやってみると、仕事は想像以上に自分に向いていることがわかった。
私は買い物してモノが増えるより、捨てて目の前からモノが減っていくことに安らぎを覚える人間である。
目の前からゴミが消えて、雑草が抜けると快感がこみあげてきた。
決して若くないのに「あなたみたいな若い人が来てくれてうれしい」と言われ、なんて優しいギョーカイだろうと感謝もした。

服装も自由。
一人仕事で、音楽を聴きながらやってもいい。
来る日も来る日も子ども番組に付き合わされていた私は、好きな音楽を一人で楽しむことにも飢えていた。
退屈に思う時もあるけど、人間関係に気疲れすることもない。
人は乗せられたら働くものである。

以来、年二度ある優秀賞に必ず選ばれて(有難う!!)、最初は週二日で始めた仕事も依頼が増えて週6日、幾つもの物件を掛け持ちしている。
もう9年目である。
人ではなく、季節とコミュニケーションをとりながらする仕事もわるくないと思う。
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