東海道を歩く③戸塚～藤沢～平塚～大磯

3月２２日（月・休日）９時１５分。晴れのち曇り。戸塚西口の大踏切あたりから出発。

ひと月以上経つと、こんなに変わってしまうほどか、と駅の周りの工事が仕上げ段階になり４月オープンの「トツカ―ナ」ビルが装い新たにドーンとそびえ立っていて驚いた。

戸塚駅からしばらくの旧東海道は「大坂」と呼ばれるだらだら坂が続き、車も少なく歩きやすい。

↑本陣跡を取り過ぎると現在も７月にはお札まきが行われるという長林寺。

まもなく「戸塚」の名前の起こりとなっていると謂われる冨塚神社を過ぎ大坂を上りきる。

前には同じようにテクテク歩くおじさんがいる。おじさんは箱根駅伝に触発されて今日は戸塚から平塚まで歩くのだそうだ

「駅伝選手たちは偉いもんですねえ！」と話が弾む。（ただし箱根駅伝ではこの旧東海道は走らない。選手たちが走るのは国道一号線）

さらに坂を上って街道を右側に入り込んだところにある浅間神社に寄る。

右前方にかすむ富士山を見ながら藤沢をめざす。

このあたりからちらほらと松並木が始まり、駅伝復路の第一関門である遊行寺の坂を境川に向かって下っていく。（遊行寺は一遍上人を開祖とする時宗の総本山）

わたしは藤沢からは海側に出て駅伝コースを歩くのかと思ったら旧街道はずっと街中なのでアテが外れたが、市内は門前町であったからか、通りの建築物や町全体の雰囲気がなかなかに雅やかで風情がある。湘南地方だったらここに住んでみたいと思ったり・。ちなみに戸塚で会ったおじさんは海沿い（１３４号線）を行ったらしい。

現在も営業する紙問屋だの昔の蔵を改装したお店があちこちに見られる。

マンホール↓

途中、源義経の首洗い井戸なる場所に寄る。なんだか我が家の近くの立石様みたいな感じ。

１１時過ぎ。少々おなかがすいた頃、タイミングよく町角に「湘南クッキー」の自動販売機を発見！クッキーの自動販売機なんて初めてなので面白がって、銭湯のロッカーみたいになっているコイン入れに３００円入れてクッキーゲット☆パリパリとした歯触りと甘さがよい按配である。

歩行中はアンコものしか食べないぞ！と豪語していたのにここで簡単に趣旨変え～（＾＾；）

藤沢を抜け大山道標から左に道をとり辻堂を過ぎ茅ヶ崎入口あたりになると太陽がまぶしくおなかもすいた。

１２時４０分。蕎麦屋で昼食、にしん蕎麦９００円を食す。（にしん蕎麦って蕎麦の食べ方としては最高峰のひとつだと１２年くらい前から勝手に思っている。）

東海道中の昼食は必ず蕎麦にすると内心決めている。京都までの道中、関西関東のそばつゆの色と味の変遷を記録するため。

さて今回は、ここから茅ヶ崎を越え平塚に至るまでの行程がもっとも辛かった。

茅ヶ崎は宿場町ではないのでたいして歴史的価値のあるものもなく、ただただまっすぐに続く街道を、大地主さんの大層な豪邸をため息をつきながら歩くのみ。

途中、なぜか忽然とドイツ風の一風変わった建物（アパートか？）空間が現れ、これはちょいと楽しめた。マンホールもカラフルでおしゃれ。

前回の旅から一カ月以上経ってしまったので、腰から膝までが痛い。（スクワットは毎日励行してるのに～）

しかし！途中に日本橋からの道標があり「おお６０キロも来たか～」としばし感じ入る。

１５時半。相模川（馬入川ばにゅうがわ）を渡り、平塚に着くころはもうへろへろであった。

閑散とした駅前アーケードの昔ながらの喫茶店でミックスジュースを飲んで少し元気回復。

殆どやけのやんぱち状態で「大磯まで行っちゃおう！！」という気になる。

再び町に繰り出すと、平塚市内は大きな宿場であっただけに予想外におもしろかった。

町の東端に江戸見附跡、西側には京方見附跡があり、その中ほどに旧問屋場跡、本陣跡、そして路地を入ったところの「平塚の塚」は桓武平氏の祖である平真砂子（たいらのまさこ）が没した塚で、「平塚」の地名はここからきているらしい。

↑京方見附跡

↑平塚

←昔の本陣は現在銀行。

平塚を抜け、花水川に架かる「はなみずばし」を渡る。（なんだか花粉症で困っている人みたいな名前の川だ）

日が陰って右側にこんもりとした高麗山が黒緑色になっている。

４時半。大磯に入る。

疲れたので道端にある虎御前の化粧井戸（とらのごぜんのけわいいど）も島崎藤村の旧宅も、楽しみにしていた大磯の海も見ずに駅へ向かう。

５時２０分発の東海道線で帰路へ。

本日の歩行距離、約２３、７㎞。京都まで４２７、１㎞。

次回は大磯～小田原。

小田原からの箱根越えはゴールデンウイーク初日の予定。