回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

東海道を歩く。①日本橋~品川~川崎

2010-02-01 21:26:48 | 東海道五十三次

1月31日(日)薄日で絶好のウォーキング日和り。

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先週歩いた自宅から日本橋まで都営地下鉄で。

9時半。日本橋を出発。箱根駅伝往路のコースをたどり、読売新聞社前からビル群の合間に暗くたたずむ平将門の墓に参ってから内堀通りを歩く。

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皇居前広場はマラソン人と自転車人でごった返していた。マラソン人達は、それがルールなのか全員同じ方向でわたしたちに対抗するように走ってくる。何度もぶつかりそうになりながら日比谷通りに入り日比谷公園を越え霞が関~増上寺の前を過ぎる。

しばらく行くと日比谷通りは第一京浜国道(15号線)に合流しどーんと道の幅が広がる。

三田のあたりで芝浦方面に流れ込むのは「古川」と呼ばれる川で完全に首都高道路で覆われ全く死んだような様相を呈していて見るにしのびない。

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11時半。品川に到着。ここから駅伝コースは新八ツ山橋を渡るが、わたしたちは本来の八ツ山橋を渡り京浜急行の踏み切りを渡って旧東海道に入る。

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京浜急行の軌道は、ほとんど高架化されているが踏み切りのある風景はとても好きなので、手が届くほど近くに電車の走るこの軌道は是非とも残してほしいと思ったりもする。

旧東海道の道筋には町興しのために新しく建てられた道標もきちんとあり、左側に広々とした海を眺めたその昔の旅人の気分を追体験しながら宿場道を歩く。今は言うまでもなく街道から左に落ち込んでいる坂の向うは海はなく埋立地のビルが立ち並ぶのみである。

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目黒川に架かる品川橋から見渡せる荏原神社の寒緋桜の濃いピンクの花が冬の陽光の中にひときわ映える。歴史のある店がところどころにあるのもおもしろい。

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12時半。鮫洲のあたりでお昼に小さなお蕎麦屋でカレーうどんを食べる(420円)。帰りぎわに店のおじさんが「ありがとうございました、お気をつけて」とわたしたちが旅して歩いているのがわかっていたかのように声をかけてくれたのが嬉しかった。

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店を出るとまもなく、道に面してど~んと仏坐像が!ここは品川寺と書いて「ほんせんじ」と読む。そういえば東急大井町線に「九品仏」という駅があったような気がする。

仏像は地蔵菩薩坐像。有名なお寺らしいが本堂の造りがちょっと変わった感じがするのや、不思議な仏像が屋根のベランダの上みたいなところに野晒しになっているところなど異様な雰囲気である。

街道から少し外れたところにある勝島運河の船溜まりは広々として心地よかった。やはり川の上は空でなくては!

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ここには土佐藩が担当した砲台跡があり、坂本龍馬も足しげく通ったらしく河川工事の塀にはこんな絵が描かれていた。(帰宅してNHKの大河ドラマを見ていたら偶然にもこの場所がドラマの最後に出てきたのにはびっくりした)

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この運河に架かる橋のひとつに「涙橋」というのがあり、これは後で通る鈴ヶ森処刑場に送られる罪人の家族が、最後に涙ながらに彼らを見送ったという謂われのある橋らしい。

平和島競艇場を横に見ながら歩いてしばらく行くとその鈴ヶ森処刑場跡。八百屋お七も江戸からここに送られ処刑されたらしい。

罪人を火あぶりにするための支柱を立てた石の穴やら首を洗った石の鉢やらが並べられていて見ていると空気まで冷たくなってくるような気がする。写真を撮ったらたたりがあるのでは?と思うくらいの雰囲気だったので手を合わせてそそくさと立ち去った。旧東海道に面してこのような処刑場が堂々と設置されているのは世の人への見せしめのためなのか。

鈴ヶ森から第一京浜道路に出る。どうもこの道路は単調で排気ガスと人間が多く、歩きにくい。(箱根駅伝で最もおもしろくないコースでもある)

人通りのない道を歩こう、と、大森のあたりで「駿河屋通り・羽田みち」と書かれた道標のある横道に入り「ここを行くと羽田に行くのか~」などと好奇心半分で歩いていたら遠回りになりちょっと時間を食う。時間を食うついでに鯛焼き屋さんで鯛焼きを買って歩きながら食う。お~い~し~い~☆

大森はいまでも海苔の店がたくさん健在。

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再び第一京浜に出て蒲田まで。太陽が進行方向にあり日射しが強く感じられて歩きにくい。

14時半。蒲田着。

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ちょいとへばり気味であったが、喫茶店でコーヒー飲んで一息ついたら元気が出てきて、ここまで来たからには多摩川を越えて神奈川県に入ってしまおう、と話が決まり第一京浜を避け、仲六郷商店街を延々と歩き六郷橋に至る。川幅は狭いが河川敷がだだっぴろいので六郷橋はすごく長い。マラソン人自転車人が多い。東京を抜けた喜びで胸が躍る。

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橋を渡りきるとすぐに小さい道標がありここから旧東海道が姿を現す。JR,京急の高架を右にみながら街道は繁華街の中に入っていく。道の両側には当時の宿場の様子が描かれたプレートが掲げられて旅ごころをかきたてる。う~ん、このまま歩いてさらに次の宿場まで、とはやる気持ちをぐっとこらえて駅への道を折れる。

15時半。京急川崎から帰途につく。

日本橋からおよそ18㎞。6時間かけて歩いた道のりが電車ではわずか40分!!

子供のように車窓にうつる品川までの景色を眺めながら「早いわ、早いわ~~」と感慨にふけったのであった。

京都まであと474㎞。

次回は早朝出発して保土ヶ谷(がんばって戸塚宿)までが目標。詳細な地図と帽子を忘れずに携帯すること。


6 コメント

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やまびこ姉さん。タフですね。 (しゃあ あずなぶる)
2010-02-02 12:35:22
羨ましいッス。

ボクは一昨日の初サイクリングをドタキャンしました。
痛風かな?みたいな痛みが出まして、残念ながら欠席でした。
日曜でしたが、急遽入った仕事には出たのですが・・・・。
仕事はしたけど「お楽しみ」は欠席で凹む しゃあ でした。
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すごい!!! (み~こ)
2010-02-02 20:36:09
久しぶりにのぞいてみたら・・・
東海道の旅に出ていたとは。
日本橋からの旅立ち、おめでとう!!
穏やかな日でよかったですね。
私は毎月新幹線で往復してるのですが・・昔の旅人は歩いていたのですものね。これからは桜に新緑にと歩くにはもってこい。ひと区間だけでも一緒に歩いてみたいなぁ~
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・しゃあさん (やまびこ)
2010-02-02 21:01:07
それはそれは残念でした(--)
それでもちゃんと仕事に出るしゃあさんはえらいっ!

自分の足で歩くってとっても自由。
今日も四ツ木から青砥まで歩いたぞ~♪

体調、もう回復したのかな?痛風ならビールは控えめに~[E:beer]→×

・み~こちゃん

正確には自宅から川崎まで歩いたことになります。
地下鉄の乗り換えなどで階段を上り下りするよりはるかに楽よ。
これから合唱練習も体力が必要になってくるからね、鍛えておかなくては~(^^;)

昔の旅人は一日30キロ以上も歩いたそうだからまだまだ遠く及びません。
どこかで一緒に歩くの大賛成!歌でも歌いながらのんびりとね[E:note]






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いいですねえ~。 (断腸亭髭爺)
2010-02-03 04:59:57
読んでいるだけで、ワクワクしてきます。

同じ日に、私は、将門の「胴塚」(茨城県坂東市)を訪れていましたが、やまびこさんは、「首塚」に行かれたわけでね。
それにしても、将門って人は、何て胴長なんだろう!

次は、川崎大師からですかね。
生麦あたりが面白いですよ。
http://danchotei.blog75.fc2.com/blog-entry-175.html
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へぇ^^^^すごい。 (ミスヂャ@ミホ)
2010-02-03 21:54:02
こういう目的の旅もいいよね。
距離がすごいよ。

色々な景色、ありがとう。
上を高速道路が通る川は、本当に切ないです。
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・断腸さん (やまびこ)
2010-02-03 23:44:11
丸の内の首塚は以前にも訪れたのですがどうも霊気が漂っているような気がして黙って通り過ぎることができません。
ろくさんは「将門も首も天神様の梅も空を飛ぶものなのだ~」なんて言ってました(^^)
次回はこの間歩き終えた川崎の道っ端地点が出発です。
生麦、心にとめておきます[E:good]

・ミスヂャさん

京都まであと約474キロほどもある~!先のこと考えると萎えちゃいそうだけど、一歩一歩楽しんで歩くね。

「あっ」という間に過ぎ去る電車や車からの景色からは窺うのできない道と時間がどこかでつながっていることが当然でありながら、ほんとに驚きます[E:sandclock]
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