2011年12月 2日(金)
「リアル・スティール」の試写会へ、いつもの様に(笑)同行人に連れて行ってもらいました
(作品資料より)
スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが製作総指揮を手がけ、『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィが監督を務める本作。2020年という近未来を舞台に、ロボット・ボクシングを通して心を通わせていく父と息子、少年とロボットの物語。ヒュー・ジャックマン演じるダメ親父と、ダコタ・ゴヨ演じる生意気な少年が、一つの目的に向って進むうちに親子の絆を強くしていく過程は、なんとも心を打つ。しかし、ただの感動物語だけではなく、『トランスフォーマー』のようなロボット同士の対決の迫力と面白さや、場末の賭けボクシングの世界の怪しさ、自分より強い選手に戦いを挑むスポーツ映画としての魅力といった様々な楽しみ方がある作品。
(解説)
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ&ロバート・ゼメキス×ショーン・レヴィ監督(「ナイトミュージアム2」)によるSFアクション。ロボット同士の格闘技が人気を集める世界で、ボクサーとしての夢破れた男が、息子との絆と自分の再起を賭けて戦う。主演は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のヒュー・ジャックマン。共演に「ハート・ロッカー」のエバンジェリン・リリー、アンソニー・マッキー。
(あらすじ)
チャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)はかつて将来を嘱望された期待のボクサーだった。チャンピオンを目指してトレーニングに打ち込んできたものの、時代は高性能のロボットたちが死闘を繰り広げる“ロボット格闘技”の時代に突入。もはや人間のボクサーは生きる場所を失い、チャーリーは人生の敗残者も同然だった。辛うじてロボット格闘技のプロモーターとして生計を立てているものの、乏しい資金力で手に入れられるロボットは、リングの上であっという間にスクラップ状態。人生のどん底にも関わらず、さらなる災難がチャーリーに舞い込んでくる。赤ん坊の時に別れたきりの息子マックス(ダコタ・ゴヨ)が最愛の母を亡くして、11歳になった今、初めて彼の前に現れたのだ。だが、マックスは、そう簡単にチャーリーに心を開くはずもなく、親子関係は最悪の状態。そんなある日、2人はゴミ捨て場でスクラップ同然の旧式ロボット“ATOM”を発見する。それが、彼らの人生に奇跡を巻き起こす“運命の出会い”であることに、チャーリーもマックスもまだ気づいていなかった……。
2020年の近未来が舞台。それなのにオープニングは50年代のカントリーブルースで幕が上がる。二本足で立ってボクシングをするロボットが出てくるのに、それを運ぶトラックは電気自動車ではなく軽油を吐き出す公害車。そのトラックに搭載されてるナビはiPadを進化させた様な立てかけたガラスに映し出されるナビ。何故か出て来る日本へのいささか妙なオマージュの数々。そんなちょっとしたミスマッチが面白かった。CG特撮の技術の進化にも驚いた。マニュアル操作のロボットで闘っては負け続ける父。次世代を生き抜くスキルを身に付けつつある息子。人間の動作を真似ることが可能な、廃棄処分になっていた旧型の時代遅れロボットがぎくしゃくとした親子の心をつなぎ止めながら、一歩また一歩と前進して行く。息子の熱い視線が父に向けられる度に、借金まみれでだらしのない弱い父にも「強さ」を取り戻させて行く。そして息子は無敗のチャンピオンロボットとの試合中に鋼鉄のボディを介し、初めて父の往年の能力に敬意を抱く。試合が進むにつれ、金にモノを言わせ最新技術で武装した強敵にパンチを繰り出すシーンを見ていると手に汗を握る。ロボット版ロッキーを見ている様だった。予告編を見た時は首を傾げた映画だったが観終わった後は、ロッキーが好きな自分は楽しめた映画だった。この親子の様に「絆」をつなぎ止める事が出来ていたら僕達も離ればなれにはならなかったのかも知れない。家を飛び出して母親の姓を名乗る事を決めたのはもう二度と戻らないと決意の証。昔を思い出しながら、ただ単に父の背中を見せるだけでは子は育たないと自分に言い聞かせる。果たして自分は何を与えることが出来るのだろう?そう考えながら映画館を出ると冬の風に包まれて切ない気分になった。
ウルヴァリン:X-MEN ZERO 試写会