S2000奮闘記

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Book / 竜馬がゆく(八)

2010年07月02日 | 雑記
草雲雀(くさひばり)。

鳥ではない。草の虫。
夜があけ染めるとき、暗闇のなかで、
鈴を鳴らすような声で鳴く。
小柄ながらも夜を明けさせる。

長く続いた徳川の世が夜ならば
明けた朝は明治の世であり
夜を明けさせた竜馬は草雲雀。

時代を変えた草雲雀の悲運な最期。
一瞬の出来事の様だったらしいが
筆者の一文字、一文字に生々しく描写されていて
本から鮮血が流れるようであり
思わず生唾を飲んでしまう。


背表紙より。
「慶応三年十月三日、今日は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明した。ここに幕府の三百年近い政権は幕を閉じた。 ー 時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどりつく。しかし竜馬はそれを見とどけることもなく、歴史の扉を未来へ押し開けたまま、流星のように・・・。」


竜馬の国家創案は後の明治政府へと引き継がれて行く。そして、若き日を竜馬と一緒に駆け抜けた陸奥宗光が、竜馬の良き理解者の西郷隆盛の側近として働いた西郷従道、大山巌ら、この「竜馬がゆく」に登場した若物達が少し歳を重ねた後に、同筆者の長篇小説「坂の上の雲」へ再び登場し、日清・日露戦争で日本を勝利へと導く。

「仕事というものは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分はだれでも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない。」(「竜馬がゆく(八)P.331より抜粋)


肉体が滅んでもその魂は生きていれば、
魂が死んでしまった様な生き様をしながら生き延びている人もいる。
坂本竜馬の肉体は殺されてしまったが
その魂は明治の国家創案の中で生きていた。

詠み終えて、ふとインターネットを見ていると
布袋寅泰氏のサイトへ
辿り着いた。新曲を出すらしい。
「STILL ALIVE」

漫画「北斗の拳」(懐かしいぃ)の
主題歌になるとのこと。

サビの最期に
キメ台詞の
「お前はもう死んでいる」とブチかましてる。

そこには、
「お前は本当に生きているか?」
「生きていながら死んではいないか?」
生きていくことはそんなに簡単じゃない、
そんな強い想いが込められている。

果たして自分は・・・。

坂の上の雲(一)&(二)
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