日本庭園こぼれ話

日本の歴史的庭園、街道、町並み。思いつくままに
Random Talks about Japanese Gardens

イチョウ・スギ・ケヤキ=巨木の話(終)・・・(改編)

2021-10-15 | 巨木・御神木

(Ⅰ)以前、「葛城古道」(奈良県)をご紹介しましたが、その行程の途中にあるのが「一言主(ひとことぬし)神社」。ここの神様は『古事記』に登場するともいう由緒ある神社です。その故事により、地元では、願いを一言だけ聞いてくれる「一言(いちごん)さん」として、親しまれているとか。

(上: 一言主神の霊が宿っていそうな大イチョウ)

一言主神社は、それほど大きな神社ではありませんが、その狭い境内を覆うかのように枝を広げているのは、樹齢1,200年という大イチョウ。高さは20メートルほどだそうですが、地上3メートルくらいのところの幹に、気根と呼ばれる突起が何十本も垂れている様が壮観。

(上: 大イチョウの幹の気根が見事)

突起が乳房のように見えるところから、「乳銀杏」と呼ばれ、安産の御神木になっています。

 

(Ⅱ)修験の山として知られる出羽三山(山形県)の1つ、羽黒山山頂に鎮座する「三神合祭殿」に至る参道は、延々と続く2,446段の石段。その両側には、杉の老樹が聳えています。

(上: 杉の老樹の並木の中を2,446段の石段が続く羽黒山の荘厳)

その参道の登り坂が始まるあたり、杉の木立の中に、まるで杉の精霊のように、古色を帯びて佇む五重塔は、平安時代(920年代)、平将門の創建と伝わるもの。国宝です。

 

そして、五重塔近くに、天を突くがごとく聳える巨大な杉は、樹齢1000年と言われる「爺杉」。この項の最初にご紹介した、私の故郷に聳える巨杉「婆杉」とオーバーラップするのでした。

(上: 呼応するかのように並び立つ「爺杉」と五重塔)

 

(Ⅲ)私の故郷には、もうひとつ、「婆杉」と並んで親しまれている巨木があります。「住吉神社」のご神木としてあるケヤキの巨樹です。

樹齢800~1000年、高さ30m、幹周り8m。

 巨大なタコが8本の足を広げたような枝振りを見せているところから「タコケヤキ」と呼ばれていますが、残念ながら、後年訪れた時には、タコの足にあたる枝は、伸びすぎたためか、途中で切られてしまっていました。

それでも、幹の巨大さと形は、大蛸のイメージを彷彿させますが、やはり足のないのが残念。

全国には、数々の由緒ある巨木があると思いますが、そうした巨木が、いつまでも健在であることを願っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿