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20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

- 画廊コレクション- 薔薇と少女展

2011年10月21日 | Weblog
             

 拙作『モーツアルトの伝言』(ポプラ社)の表紙絵と、さし絵を描いて下さった,画家の永田治子さんのグループ展のお知らせです。

 永田治子さんはご出身の女子美で講師をしていらしたり、彫刻、絵画、デザイン等々幅広い活動をつづけていらっしゃる方です。
 豊かの色彩と、やわらかなライン。
 とても、すてきな絵をお描きになる方です。
『モーツアルトの伝言』のさし絵の一枚を頂戴し、我が家にも飾ってあります。
            
 
 昨年は銀座で個展を開かれましたが、今回はグループ展です。
 お近くにお越しの折りにはぜひご覧になってください。

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 画廊コレクション「薔薇と少女展」

 2011年10月24日(月)から11月2日(水)
 AM11:00からPM6:00(日曜休廊/最終日4時終了)
 出品作家:
 北見隆、佐藤哲、丸山勉、高田美苗、永田治子
「あらかわ画廊」
 東京都中央区京橋2-8-18昭和ビルB2F(銀座線「京橋駅」6番出口より徒歩1分)
 03--3566-5213
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新刊3冊ご紹介

2011年10月20日 | Weblog
「季節風」同人の方々の、新刊ご紹介です。
         
           

「季節風」の同人で、児童文学者協会の児童文学学校の終了生で「ひぃふぅみ」の同人だった、岸史子さんが作家デビューされました。
 岸さんは、学校を終了し、そのお仲間たちと作った同人「ひぃふぅみ」で活躍されていた頃から存じ上げております。
 岸さん、おめでとうございます!
 ご出版のお話は、岩崎書店のTさんから伺っておりましたが、ほんとうにうれしいです。
「季節風」や「ひぃふぅみ」の方々が中心になって,12月にはお祝いの会も開かれるそうです。

『緑のトンネルをぬけて』(岸史子・岩崎書店)
 ひっこみじあんで、気持ちを内に閉じ込めてしまう主人公の「まゆ」
 素直に自分の感情を表し、楽しいことを見つけ出す弟の「てつ」
 その姉弟を中心に、林間学校での班のなかまたちの人間模様が描かれています。
 友だちとの関係、姉弟の関係。そういった関係のひとつひとつが、丁寧に描かれ、そしてゆったりと物語は流れていきます。
 おっとりとして内向的な「まゆ」が、「てつ」や神社のおばあちゃんとの交流のなかで、不登校の「山口くん」に自ら行動を起こしていこうという気持ちになります。
 そういった「まゆ」の気持ちが、無理なく素直に描かれています。
 神社のおばあちゃんの生き方にも惹かれますが、最後の「本田さん」と「まゆ」との会話はとてもいいです。
 ちょっと難しさを感じていた関係が、ゆるやかにつながっていく瞬間です。
 そういった細やかな関係性の中から、人と人とを描いていく。
 このゆったり感と、心地よさは、とても貴重です。

                    
『学校にはナイショ♂逆転美少女花緒』(吉田純子・ポプラカラフル文庫)
 デビュー作『オオドロボウ五十五えもん』に通じる、ユーモアのたっぷり効いたストーリーです。
 とにかく、キャラクターがおもしろい。
 ギャグマンガを読んでいるような爽快感があります。
 このギャグ。
 吉田さんという人は実に努力家で勉強家と、お見受けしました。
 もちろん、おもしろさを生み出すためには天賦の才能も必要かも知れません。
 それどそのおもしろさのアイディアを生み出すためには、アイディアへの「きっかけ」や「手立て」の探求、そしてそれを支えるしなやかな発想がなにより大切です。 
 その力を,日々鍛えていらっしゃることが想像できます。
 一朝一夕に、こんなギャグが生まれるはずがありません。
 学園ラブ・コメシリーズに仕上がっていますが、こういったラブ・コメにはかなりの技が必要です。
 ただ誠実に、凡庸に描いていても、ぜったいに生まれてきません。
 その階段を見事にクリアしている吉田さんの、作家魂に脱帽です。
 とにかく、よく仕掛けられている物語です。
 このシリーズ、なにやらヒットの予感がします。

           
『メン!ふたりの剣』(開隆人・そうえん社)
 開隆人さんのデビュー作『メン!』シリーズの、完結編です。
 部員は主人公のミクだけだった小学校の剣道部。第一巻の印象的なシーンは、防具をじゃぶじゃぶ洗ってしまうところでした。
 今回の完結編でも、汚い部室をお掃除するシーンが出て来ます。
 お掃除して見つけたのは、ミクのお父さんが子どもだったころ、たどたどしいひらがなで書いた「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」の文章でした。
 その言葉に励まされるように、ミクと部員であり一年後輩のケンヤは練習を積んでいきます。
 ぐいぐい読まされるのは、剣道の試合のシーン。
 部の監督が作ってくれた「交剣知愛」と書かれた横断幕。それに込められた思いを受け止めながら、ミクとケンヤ、ふたりはそれぞれの試合に挑みます。
 
 剣道のうつくしさや、汗の飛び散りそうな、迫力ある試合のシーンは圧巻です。
 開さんが渾身の力をこめ、ぎしぎしと書いています。
 そんな物語の根底を流れているのは、「交剣知愛」の精神。
 ミクと幼なじみで、韓国から再び帰ってきて韓国剣道の着装をしているユリンとの関係。
 ケンヤとキョウスケの関係。
 そういった胸をゆさぶる関係が、熱く描かれています。

 どうぞ,皆さん、この3冊お読みになってください。
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『空色バトン』(笹生陽子・文藝春秋)

2011年10月19日 | Weblog
            

 今夜は、台風のため、ひと月延期になっていた読書会「Be子どもの本」の例会です。
 今月のテキストは『空色バトン』

 6つの短編連作からなる物語です。
 6つのお話は連作ですから、すべてどこかで繋がりがあります。
 いろいろな人の視点から語っている物語です。
 
 こういう手法は、さして珍しくはありませんが、主人公が高校生から中年のおばさんまで。
 この書き分けは、なかなか大変だったのではないかと、ご苦労のあとを感じます。

 笹生さんという作家は児童文学から、こうして大人向けの小説まで、達者に書きこなす人です。
 でも私は、彼女のデビュー二作目作『ぼくらのサイテーな夏』(講談社)がいちばん好きです。
 あのテンポと息づかいは,とても新しいと思いました。

 さて今夜はどんな意見が飛び交うでしょう。
 楽しみです。
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キャンドル

2011年10月18日 | Weblog
           
            
 キャンドルの、あの香りがとても好きです。
 キャンドルの香りに包まれていると、異国の匂いを感じます。

 夫がアメリカに赴任しているときは、アメリカでは毎日のようにキャンドルのお店に足を運んでいました。
 あの日本にはない、匂いと雰囲気がたまらなく好きなのです。
 
 これからの季節、キャンドルに灯した、あかりのあたたかさに癒されます。
 そんなわけで、我が家にはいろいろな太さ・形のキャンドルがたくさん飾ってあります。

 写真は、久しぶりに行ったIKEAのキャンドルコーナー。
 IKEAには、チープなのに、かわいくてステキな小物がたくさん展示してあります。
 そういったおしゃれなものが欲しくなると、ついIKEAに行きたくなります。

           
 買ってきたのは、スチーム用にも使えるお鍋。
 ブロッコリーを毎朝、蒸しているのです。
 キッチンにこうしたちょっと目新しい小物が増えるだけで、お料理をするのがさらに楽しくなります。

 今日は夕方から神楽坂で、児童文学者協会の10月の運営委員会です。
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個展のお知らせ

2011年10月17日 | Weblog
      
      


     ギャラリー祥さんが、開廊20年を迎えました。
     初めよりお世話になっていたので、私のここでの個展も、 
     20回を数えました。この間皆様から頂いたご厚情に、感謝いたします。
     これからも、皆様の声に励まされながら、一歩一歩精進してゆきたい
     と思います。ご高覧いただければ幸いです。

                        御古屋窯 弥延潤太

      
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 陶芸家・弥延潤太さんの個展のお知らせです。
 お近くへお越しの折りには、ぜひご覧になってください。
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曼珠沙華(彼岸花)

2011年10月16日 | Weblog
          

 道ばたに、曼珠沙華が咲いていました。

 そういえば生前母が入院しているころ、秩父通いのレッドアロー号で、いまごろの季節になると臨時に泊まる駅がありました。
 高麗駅。

 高句麗国といって、中国大陸の松花江流域に住んでいた騎馬民族であり高句麗の王族である種族の人たちのなかに、高麗若光という人がいらしたそうです。
 その人が、そこに住んでいたらしいです。
 そこから、「高麗」と名付けられたということです。

 その高麗駅を下車したところに「曼珠沙華の里」という、曼珠沙華が群生している場所があるそうです。
 レッドアローに乗っていると、高麗駅につくと、たくさんの人がぞろぞろ下りていきます。
 いつか、真っ赤に燃える炎のような、その曼珠沙華の群生を見てみたいと思いつつ、いまだ実現しておりません。
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ヴィトン

2011年10月15日 | Weblog
           

 ルイ・ヴィトンのショーウインドウの写真です。
 今期、ヴィトンは、宣伝写真をアフリカで撮影しているらしいです。
 この写真に写っているカバンは、ヴィトンです。

 ヴィトンとアフリカ。
 一見、ミスマッチです。
 ですが逆に、このヴィトンらしからぬ写真に、つい視線を奪われます。
 
 この、意表を突いた感じ。
 ある意味、コンサバティブともいえるヴィトンは、ポップアーティストの村上隆とコラボしたり、その戦略はなかなかアグレッシブです。

 今日は、歯医者さんで、3ヶ月に1回の歯科検診です。
 歯周病予防のため。
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Face book

2011年10月14日 | Weblog
 しばらく前に好奇心からFace bookに登録したものの、どうしたらいいかわからずそのままにしていたのですが、メールで「お友だち承認」を2人の方からいただき、「え、なんのデータも書いていないのに、どうして私ってわかるのかしら?」と不思議に思いつつ、お友だちになっていただきました。

 するとしばらくして、今度は数人の方々から立て続けに「お友だち承認」のメールをいただき、またまたびっくり。
「なんで、わかるの?」と未だ半信半疑の思いを抱えつつ,写真も職業も、なにも書いてないのでは失礼なのではないかしらと思い、あわてて載せました。
 でも使い方、まったくわかりません。
 それにしても、たくさんのお知り合いの方々がFace bookに登録しているのにはびっくり。

 これって、Twitterみたいに、折々につぶやけばいいのでしょうか?
 まだまだチンプンカンプンです。
 Face bookを通じて、お友だちがたくさん出来るといいなと思っています。
 左のブックマークに、アドレスを貼り付けておきました。
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新刊4冊ご紹介

2011年10月13日 | Weblog
 友人の作家、3人の方々の新刊のご紹介です。

             
 まずはじめは田部智子さんの「ユーレイ通り商店街」シリーズの3巻、4巻です。この2冊、同時発売です。
 このシリーズは、ユウレイ通りや、その先にあるジャーマン通りの商店街で暮らすいろいろな子どもたちが主人公になり、そのときどきに抱えている問題や悩みを描いています。
『クールな三上も楽じゃない』(田部智子・福音館書店)
 1巻の主人公だったのは,ユウレイ通りにあるパン屋の息子「ムカシ」
 この巻では、ジャーマン通りにあるパン屋さんの息子「三上」が主人公です。 
 ある日、クラスで体験学習にいくことになります。
 あれこれ迷いながら,最後に貧乏くじをひかされた「三上」が行ったのは、のぞみ保育園。
 そこで「三上」が出会った、頑固で、でも自分の気持ちにとっても正直な五歳児の「真吾」
 この「真吾」という幼児が、とても「いま」を象徴していて、その屈折した思いに笑ったり、じんときたりします。
 また「三上」と「真吾」の、ビミョーなつながりもステキです。
 ラスト、歩道橋の上からみた夕日の大きさと、ふたりの気持ちがつながりあう瞬間は、感動的です。

             
『あたしだけに似合うもの』(田部智子・福音館書店)
 ユーレイ通りにある薬屋さんの娘、理香子が主人公の物語。
 理香子がすきなのは、おしゃれとヒップホップダンス。雑誌の読者モデルにも応募するくらいです。
 けれど、薬屋さんをやっているお父さんは、理香子を薬剤師にしたいので、そういった理香子の気持ちを理解しません。
 おまけにお店の前には、さまざまな薬の広告文を下げています。
 クラスの子たちに騒がれるくらい衝撃的なキャッチコピーに、理香子は傷つきます。 
 とうとう理香子は家出してしまいます。
 家出したのは、クラスでも目立たない、おしゃれの話もまったく合わない地味な女の子、都のアパート。都との関係がいいです。
 理香子はその都の家にもいられなくなり、とうとう電車に乗って夜の表参道に向かいます。
 そこで、理香子を助けてくれたのは・・・。

 このシリーズのおもしろいところは、人と人との関係が、実にあたたかく、そして人間としての真実を見つけながら真摯に描けているところです。
 親子の関係。友だちとの関係。そういったことが、毎回、しみじみと胸に落ちてきます。

             
 
 次は、松本聡美さんの新刊です。
『ともだち まねきねこ』(松本聡美・国土社)
 学校のかえりみち、お蕎麦屋さんの前で煤けた「まねきねこ」をもらったマキオに、それからふしぎなことが起きます。
 まねきねこは、壊れかけでひび割れも入っていて、おしりのあたりにかかれた文字も半分消えかけていました。
 それをお掃除、修理してやると、そのまねきねこが・・・。
 
 関西弁のまねきねこが、とてもかわいいです。
 そのまねきねこに背中を押されるように、いろいろなことに挑戦していくマキオ。
 いじめっこの大場くんと作った三色弁当がおいしそうです。
 子どもが作れるようにと、すべて電子レンジで作る方法もイラスト入りで、書かれています。
 ちょっとしたきっかけで、自信を持って前へ進んでいく子どものすがたが,生き生きと描かれています。

             

 『モーグルビート!』(工藤純子・ポプラ社)

 表紙の帯には、モーグルの上村愛子選手の推薦が載っています。
 私たちにモーグルがお馴染みになったのはトリノオリンピックでの、この上村選手のすべる様子を手に汗を握りしめて観戦してからではないでしょうか。

 主人公の「一子」と、モーグルをはじめるきっかけになった「美鈴」とのライバル関係。
 いつもあたたかい眼差しで「一子」を見つめている、友だち「俊平」との関係。
「一子」と家族との関係。
 また、雪山でスキーを滑降するシーン。
 モーグルの大会での、息をのむような迫力あるシーン。
 そういったものがテンポのいい文体で、ぐいぐいと書き進められていき、読ませます。
 スポーツ物語として、一級品の出来映えに仕上がっています。
 
 続編は、12月に発売されるようです。
 あさのあつこの『バッテリー』(角川文庫)に続く、人気のスポーツ物語になればいいなと願っています。

 皆さま、ぜひお読みになってください。
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『再会と別離』(四方田犬彦×石井睦美・新潮社)

2011年10月12日 | Weblog
           
 
 友人の作家、石井睦美さんと、『月島物語』で斉藤緑雨賞を受賞された、作家の四方田犬彦さんの往復書簡です。
 この往復書簡は、今年の2月から7月にかけて雑誌『新潮』に連載されたものを一冊にまとめたものです。
 
 昨年の暮れに石井睦美さんにお目にかかったときに、彼女が「本を4~5冊書くくらいのエネルギーがいった。とってもたいへんな作業だった」とおっしゃっていたことを思い出します。
 四方田さんと睦美さんは、かつては作家と編集者の関係でした。
 睦美さんは,雑誌『ユリイカ』の編集者をなさっていたのです。
 それが23年の歳月を経て、再会します。
 それからしばらくして、この往復書簡がはじまります。
 おふたりは、あるときは併走するように、またあるときは四つに組んで、書簡を交換しあっています。
 それぞれの生きてきた人生を顧みながら。
 
 おふたりの、人生への思いにぐいぐい惹きつけられながら、一気に読んでしまいました。
 四方田さんのご両親の離婚。睦美さんの夫との別離。
 そういったことを、ことばを選び、注意深く、そして誠実に、人生の深さを文学的におふたりが語っていきます。
 そのまっすぐな思いに、読み手は突き動かされていきます。

 中でも石井睦美さんと作家・中村真一郎との出会いは、以前彼女からうかがったことがありますが、とても印象的です。
 この本を読んでいると、弟子でも、恋人でもない人との関係が、このように濃密に、そして作家・石井睦美が生まれる礎になっていく。そのプロセスはうらやましい限りです。
 中村真一郎の深い愛を感じながら、そういった関係を築きあげた睦美さん。
 それはとりもなおさず、彼女の魅力的な人間性がそうさせているものです。

 特筆すべきは、上質な織物のような手触りを感じさせてくれる、おふたりの文章です。
 ここには、自分の人生をも振り返らせてくれる、筆の力があります。
 読後、しばし、放心にふけりました。 
 
 皆さん、ぜひ、お読みになってください。
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