20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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ウクライナ戦争と日本の軍備増強

2023年02月28日 | Weblog
            


上は、東京外語大学の伊勢崎賢治教授の発言です。クリックしてお読みください。長いです。
本読みで忙しいのに・・・。

ウクライナ侵攻1年、ということで、先日NHKで「ウクライナ戦争」が始まった、数日間の記録を流していました。

それを見ると、ロシアは、まるで、今のアメリカが沖縄の人たちにやっているような、傍若無人な方法で花火のようにミサイルを撃ち続け、驚いたウクライナ人は逃げていくだろうと、思っていたらしいです。
ロシア人は、戦う目的など知らされず、かつてクリミア統合の時、花束を持って、ウクライナに向かい入れられたような光景を浮かべ、戦う士気など、もちろんなく、攻め入ってきたようです。

その映像に、気持ちがすっかり持っていかれ、伊勢崎さん、神保さんあたりに狙いをつけて、ネット検索をしました。
伊勢崎氏の発言は、ジャーナリストの神保哲生さんがインタビューした形のYouTubeなどでも、何度か、聞いていました。

「フォーラム・子どもたちの未来のために」でも、このところ、実行委員会で、何回か「非戦」という言葉が、皆さんの口から語られています。

この記事の、伊勢崎氏の発言はとても長いです。日本が完全にアメリカの従属国になり、東京の空も日本の飛行機は飛べない。アメリカの空。
犯罪を日本でアメリカ人が犯してもさばけない。
全ては、日米地位協定があるからです。その日本のだらしなさ。アメリカへのいいなり。主体性のなさをまずは書いています。

今回、ロシアはウクライナからの独立を主張する「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」(ウクライナ東部の武装勢力が14年にウクライナから「独立」を宣言した政権。ロシアは22年2月に国家として承認し、同盟を結んだ)の要請に応じ、ウクライナの攻撃からこれらの政権を守るために武力を行使した、と言っている。つまり侵略ではなく、国連憲章が認めた集団的自衛権の行使だ、という主張です。
要するに、今回のロシアのウクライナ侵攻は集団的自衛権の悪用だと、伊勢崎氏は語ります。

その背景には、アメリカの存在がある。バイデンがどういう男か。
そして何をしてきたか・・・。
かつてアメリカ本国が狙われたのは、「真珠湾攻撃」「9・11」だけだそうです。
「9・11」のあと、怒り狂ったアメリカは、アフガンへの攻め入り。イラクへ攻め入り、数十万の人間を殺したそうです。
その後、バイデンによる突然の撤退宣言。
アフガンで何が起きたか。歴史的に戦乱が常態化するアフガンでは、各村々が自警のために武装する文化が根付いている。大小無数に存在する各地の武装勢力は、アメリカが創設した新しい国軍に帰依するか、タリバンに帰依するかの選択を迫られているらしいです。
 
 米国大統領の無責任な撤退表明によって、その力関係はオセロゲームのようにバタバタとひっくり返り、誰も予測していなかったスピードでタリバンが勝利した。8月15日、首都カブールは1日にして陥落する。
 
 その2週間後の8月30日、最後の米軍輸送機がアフガンを飛び立った。米軍もNATO軍も完全に姿を消し、アフガンは一瞬平和になる。ベトナム戦争の再来であり、世紀の大失態だ。初めてアメリカとNATOが結束して20年も戦ったあげく、すべてを放り出して敗走したのだ。
 そのバイデンと、息子のウクライナにおける闇。ここも閉ざしたまま。

それを全部はご紹介できません。
上のURLをクリックしてお読みいただけば、わかります。

ただ、多くの戦争の現場に立っている、伊勢崎氏さんでも、今のウクライナ戦争の着地の方法は難しそうです。
ここまできたら、ウクライナ人は自らのアイデンティティをまもるため、最後まで戦うだろう。仮に敗れたとしても・・・。

先日、日本では、岸田総理がとうとう「憲法改正」を口にしました。

伊勢崎さんはネトウヨや、自民、維新などからは猛烈に攻撃されている人ですが、自衛隊の人たちからは最大限の信頼を受けている人です。
外語大の教授であると同時に、自衛隊の教官でもあります。
でも私は、伊勢崎氏は、もっとも地に足のついた「非戦主義者」だと思います。

岸田内閣の、史上最大限の、軍備大増強の時も、自衛隊の元幕僚長などが、テレビで「軍備増強」に対して異を唱えているのを見ました。
なるほど、苦しい大変な思いを前線でしているからこその、説得力のある発言だなと思いました。

ウクライナ戦争は決して日本にとって「対岸の火事」ではない。下は、彼の文章の最後のところ。
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・国防のための完全非武装 ノルウェーに学ぶ
 
 最後にノルウェーの話をしたい。ノルウェーは北極海に面し、北部ではロシアと国境が接している。そこにあるのがキルケネス市だ。スウェーデンとフィンランドは中立国だが、ノルウェーは冷戦期においてはNATO加盟国で唯一ロシアと国境を接する国だった。
 
 キルケネスの市役所前広場には、赤軍兵士の勇猛さを讃える碑が立っている。ノルウェー北部では、とくに年配者世代にとってロシア(ソ連)は「解放者」という側面があるからだ。ナチスドイツから解放してくれたという歴史的事実だ。だから国境を挟んで向かい合うロシアのニケル市との友好関係を歴史的に築いてきた。このような地域を「ボーダーランド」(辺境地)という。
 
 まさに宮古島が日本にとってのボーダーランドだ。沖縄全体がそうだ。北海道も対ロシアのボーダーランドだ。このボーダーランドを武装化して、敵国に対して槍を向けることが果たして国防にとって有意義か否か。そこが問題だ。
 
 このような国は、アメリカの同盟国でありながら、それをやらない。いまだにキルケネスでこの銅像がとり壊されたというニュースは確認されていない。そしてノルウェー軍は、このキルケネス周辺に沖縄のような大規模な常駐はしていない。ただ、2014年のクリミア併合以後、ロシアに接する国境線で軍事的な睨み合いが強化され、軍事演習などの動きが次第に顕著になっており、その傾向を懸念する学者や専門家、住民たちとの間で盛んに論議がおこなわれている。僕は、あえて日本は2014年以前のノルウェー外交に学ぶべきだと訴えたい。今のノルウェーのためにも。
 
 こういうことをいうと「お前は平和ボケだ」といわれるが、そうではない。国防のためにこそ、日本が緩衝国家であるという事実をちゃんと認め、われわれが生き延びるために、ボーダーランドを非武装化するというのは国防の選択の一つだ。これは敵国に屈することではない。ノルウェーは平和と人権を重んじる国であり、ロシアで人権侵害が起きれば真っ先に糾弾する国だ。でも軍事的には刺激しない。東西両陣営のはざまにある緩衝国家としてのアイデンティティを確立し、それを内外に誇示することによって国防の要とする。そういう立ち位置があって当然だ。このアイデンティティがあるからこそロシアも二国間交渉に応じる。なぜ日本がそのような国になれないのか。
 
 人権感覚の話をすると、また日本人が頭を抱えたくなるような状況がある。実は日本は、ジェノサイド条約を批准していない世界でごく少数の国の一つであることをご存じだろうか? ジェノサイド条約は、その名の通り大量殺戮を防止する重要な条約だ。北朝鮮、中国、ロシア、ウクライナ、アメリカ……ほとんどの国が批准している。
 
 1世紀前、東京で井戸に毒をもったという根拠のない噂で朝鮮人虐殺事件が起きたが、今同じ事が起きたら、世界はジェノサイドとして日本を断罪するだろう。当時それを煽った主謀者は誰一人捕まっていない。日本には、このような扇動をする政治家、違法行為を命じた上官を裁く法がない。その一連の日本の無法さの象徴が、ジェノサイド条約を批准さえしていないという現実だ。
 
 だからノルウェーには遠く及ばないが、まず日本が典型的な緩衝国家であることを認め、そのなかで、国防の観点からボーダーランドの武装をどう考えるかが重要だ。それはアメリカ軍だけでなく自国軍(自衛隊)も含めてだ。
 
 大国同士の戦争が始まったら真っ先に戦場になる運命の緩衝国家だからこそ、そのボーダーランドを敢えて完全非武装化し、戦争回避のための信頼醸成の要になることを国防戦略にする道がある。逆に、今完全にバルト3国のトリップワイヤー化を先んじてやってしまっているのが、ここ(沖縄)だ。
 
 そんなことを主張するお前は何をやっているのか、と思われた方は、ぜひ『非戦の安全保障論』(集英社新書)をお読みいただきたい。僕を含めた4人の著者は、全員が防衛省関係者だ。柳澤協二氏は防衛庁時代のトップ、加藤朗氏は防衛研究所の元主任研究官、林吉永氏は元空将補だ。そして僕は現役だが、陸海空の精鋭だけを教える防衛省統合幕僚学校で15年間教官をし、そこでも今回のような話をしている。司令官レベルで僕の主張を知らない人間はいない。
 
 こんな話をする「伊勢崎は外せ」と、ネトウヨ的な自民党や維新の政治家から圧力を受けながら、とくに自衛隊制服組の人たちが僕の講座を死守している。そういう側面も自衛隊にはあるということを頭に入れておいてほしい。
 
 みなさんから見たら僕は「あちら側」の人間だが、それでも現状に対する問題意識をもっている。ウクライナ戦争に乗じて、さらに軍備増強、日米同盟の強化が唱えられ、もしかしたら北海道にも米軍基地がつくられてしまうかもしれない。それを何とか止めたい。そのためには内側からも外側からも運動していくことが必要だと思っている。
 
 今日は、護憲派の批判もしたが、ウクライナ戦争をめぐる動きは、これからもっとひどくなるだろう。なんとか平常心を保とう。欧州では、日本以上にロシア排除がものすごい。研究者の交流すらできない。世界は分断から分断へと、分断だけが強化され、それでもうけるのは武器産業であり、防衛族であり、そして「いつかきた道」がくり返されるだけだ。それに抗うために、この問題提起が役立つことを願っている。

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「非戦」についての、こうした議論を、冷静に行っていかないと、日本はアメリカ属国の中でも、台湾有事になったら、真っ先に米軍と一緒に戦いに武器を持ち、突き進むような気がします。

昨日も、岸田総理は、「反撃能力」の行使に向けて、政府がアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」について、400発を取得する予定だと明らかにしました。

また、安全も担保されず、エネルギーが高いという理由から、10年過ぎても未だいろいろが残されている、3.11の大惨事も忘れ、日本にある多くの原発の、再稼働が始まるそうです。
その原発に、もし隣国からミサイルが打ち込まれたら・・・

「護憲」と「非戦」は、どう違うのか?
そこをフレキシブルに、語り合いたいです。
幅広い人たちへの、聞く耳を持たなかったら、いずれ日本は「ウクライナ」の二の舞になるような気がします。

危機はそこまできているのですから
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