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20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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お仏壇あれこれ

2010年01月19日 | Weblog
 夏からお仏壇を我が家でお守りしているのですが、それまでいかに自分が無知だったかをいろいろ思い知らされています。
 
 私の実家は秩父神社の神道ですが、神棚の他にお仏壇もあります。
 お仏壇とは言わず「霊神さま」と呼んでいましたが。

「宗教は民衆の阿片である」などと、カール・マルクスのことばを嘯くようなリベラリストだった私の父は、宗教にはほとんど興味をしめさない人でした。
 ですから神と仏の違いもわからない子ども時代を送った私には、そもそもお線香をあげるという習慣がありませんでした。
 その私が、単身赴任中の夫にかわり、お仏壇を任されたのです。
 はじめはとまどうことばかりでした。
 まずは朝、お水をお供えしお線香をあげます。
 夕方は炊きたてのご飯をお供えし、お線香をあげます。
 寝る前はお供えしたものをさげ、今日一日を感謝してまたお線香をあげます。
 私ひとりでも、毎日かなりの本数のお線香をあげているわけです。
 
 お仏壇が来て、二週間くらい経ったときだったでしょうか。
 ある日お線香立ての香炉に、お線香が立てにくくなっていることに気づきました。
「これはおかしい!」と、すぐに仏具屋さんに駆け込み、「お線香がちゃんと立つ灰をください」とお願いしてみました。
 すると、仏具屋さんは、
「いまは灰ではなく、お宅の線香立ての灰も仏金砂というガラスの原料、硅砂で作った金砂になっていると思いますよ。立ちにくくなるのはお線香のカスが残っているからです。ですからこれでときどきふるいにかけてください」
 そういって渡されたのが、灰ふるい器です。
 それからは週に一度は、お線香の香炉の残りカスを灰ふるいにかけています。
 ふるいにかけたあとは、気持ちがいいくらいお線香がすっと立ちます。
 こんなこともまったく知りませんでした。

 また松の内を過ぎた先日、お寺さんから天台宗総本山「比叡山延暦寺」のお札が送られてきました。
「新年祈祷札は仏壇の中にお納めください」と。
 新しい年に総本山のお札をお仏壇に納めるということも、はじめて知りました。

 お線香をあげ、お水を供え、炊きたてのご飯をお供えし、季節の果物、お花は欠かさずと、夏から毎日お仏壇と向き合い、義父や義母や、そのまた祖先たちがあたりまえのようにやり続けてきたことを、私はこの年になってやっと覚え始めているところです。
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