太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

FIT法施行規則の一部を改正する省令パブコメ

2018-10-27 08:48:11 | 仕事に関すること

パブコメが公募されている。所謂太陽光未稼働案件への対策だ。明らかに省令による法の遡及であるが国のやることだから遡及にも法的正当性はあるのだろう。しかし、省令で変えられるとなると現在の制度ですら何れ省令の変更で変わる可能性はある。法の不遡及は信じてはならない。法を信じなくて何を信用すれば良いのか事業者は頭を悩ますことだろう。資料を読んで行くと随所におかしな所がある。国民負担の内外比較でドイツとイギリスを挙げて日本と比較している。再エネ比率が10→15%の時の国民負担総額/年が例示されている。しかし其々の年度は異なるから買取単価も当然異なっているはず。これは日本の買取単価が高過ぎたと言いたい資料だろうか。また/年で示されているが本来は積算の総額で比較すべきではないだろうか。ドイツなど日本に先行してFITを始め、買取単価も日本より早く下げた。一体ドイツは総額で幾ら国民負担をしてきたのだろう。かってN経新聞のアンチ再エネ記者が何度も、ドイツではFIT賦課金のよる電気料金値上げに耐えきれず国外に移転する企業があると盛んにネガティブキャンペーンを張っていた。そのドイツより比較表では日本の方が負担は大きい。何故企業は海外に逃げないのか。日本にはエネルギー多消費業種には賦課金の減免制度があるから?その分は誰が負担しているのか。税も電気料金も国民負担である。どうも日本の国民負担はこんなに大きいですよと思わせるための首尾一貫した官僚の苦心惨憺が読める。働き方改革や障害者雇用の統計を思い出さずには居られない。頭の使い方改革が望まれる。

また未稼働案件が後々に動きだすとその時点から高いままの買取単価で20年間がスタートするからさらに国民負担は増す、一方事業者は(設備の値下げを待って)過剰な利益を得るとしている。言うまでもなく、10年前に得た100万円と10年後に得る100万円は価値が異なる。いつどれくらい設備単価が下がるか予測できない中、経費もかけたであろう設備認定に対し経済計算しながら本来得られたであろう利益を遺失し続けながら時を待つということが本当にあるのだろうか。実情は大して経費も掛らず権利だけ確保しているから儲かるなら稼働させよう、儲からないならこのままでも損はないから稼働しないという物が残っているのではないのだろうか。国民負担を前面に強調したレトリックに満ちた資料である。

確かに稼働の期限を設定しなかったのは不備であるから、国民負担増大という1点に絞ってネガティブキャンペーンをやるより、簡単に5年経過して稼働しないものはやる気なしと見做して権利を失効させる。これは系統の空き容量を増やし新たな参入を促進するために行うとでもした方が余程納得できる。過剰な利益を得るようならメーカーにもお零れがあって良さそうなものだがメーカーは火の車である。何れ日本メーカーは撤退し石油と同じように海外製を頼らざるを得なくなる。FITで急拡大していたヨーロッパ市場に中国メーカーが進出し地元のメーカーは駆逐され今では大手の太陽電池メーカーは存在しない。日本の数年先の姿でありそう遠い先ではない。しかし勢いのある中国メーカーと雖も国民負担という金科玉条の前に何れ日本での事業撤退を余儀なくされるだろう。一度生産を止めると2度と復活はしない。日本に太陽電池は不要であると委員の先生方は考えているのだろうか、それは石油の輸入と同じになる。現在日本には何一つ普及を促進するという明るい話題は無い。副作用を抑える薬が効き過ぎて死に至ることは容易に想像できる。この道のセミプロが言う事だから間違いない。

日中は首脳会談で競争から協調の段階にステップアップした強調している。どちらの首脳も永く務めているが、これまでと異なり何か新しい時代に入る切っ掛けがあったのだろうか。尖閣も歴史認識も変わったとは思えない。しかし協調は決して悪い事ではない。都合が悪いことがあるとしたらトランプさんだろう。北朝鮮の脅威が緩和され、日中が経済協調によって仲良くなれば買付を約束した兵器に、場合によっては基地問題にまで影響するのではないかと心配するだろう。適度な緊張は維持して欲しいだろう。中国には感心させられることが一つある。インドと同じ様にあれだけの人口を抱えながら難民を出していない。広大な国土のお陰で非難するべき場所がある、国内難民はあるのかも知れないが。また大量の餓死者も聞いたことがない。手始めに太陽電池の部分で協調して貰いたいと思うが。



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