太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

自慢の息子

2021-06-28 07:39:56 | 日記
 親御さんにとっては残念無念の一言だろう。経産省のキャリア官僚二人がコロナ対策給付金詐欺で逮捕された。まだ20代の若者である。親にとっても自慢の息子、親族一同の誉でもあったに違いない。キャリア官僚という華々しいスタートを切って即石にけ躓いて人生のスタートに失敗している。コロナで苦労している下級民にとっては怒り爆発といったところか。ただ彼らが果たして犯罪の意識をどれほど持っていたかは疑問である。制度を熟知している彼らにとっては搾取はゲーム感覚の攻略対象だったのではないだろうか。今になって大後悔しているだろうが事実をDeleteすることはできない。大いに反省し違う道で人生をやり直す時間は多分あるだろう。しかし親御さんには近所の汚名挽回の機会は無いだろうが。現役の頃経産省の若手キャリア官僚に合う機会は多くあった。優秀だけどこの人の感覚は庶民と全く違う、超権威主義と感じる人は居た。最大出世して部長まで。その上に行く人は話を良く聞いてくれるバランスがとれた人だったように思う。
 昨日は市民講座の日であり、テーマは「東アジアの戦略性」~日本の進路と役割~であった。講師は若手の有名私大教授で著書も多く、経歴も華々しい人だった。田舎の高齢者にとってはこんなに大きなテーマは不釣り合いと思っていたがこれが中々面白かった。何より講師は2時間、手元原稿も見ず上手く筋立てられたスライド資料を一気に、息つく暇もないほど流暢に説明する。迫力すら感じる。こういう先生なら学生も飽きることはないだろう。内容は軍事的、経済的に力をつけてきた中国、GDPでアメリカを抜き世界一になる予測もありそこに米中の摩擦が生じる。日本も含めたアジア諸国がその争いに巻き込まれていく現状である。バイデン大統領の対中政策はトランプ氏より遥かに厳しいものになるという。トランプ氏はビジネスマンであり、対中国に関してはアメリカのみならず日本も中国とのビジネス関係では簡単に切れない。バイデン大統領はそこに経済安保という概念を持ち込み軍事、経済を絡めた戦略を打ち立てている。ビジネスファーストではないのだ。米中の狭間で日本が取るべき進路を示唆しながら、中国とどう向き合って行くべきかを暗示する講演であった。どちらかに与するといった極論の選択肢はないようだ。
 さて大きなテーマで勉強にはなったが実生活にどう生かされるか。実行動に生かされなければ勉強も自己満足に終わる。太陽電池の原材料であるポリシリコンが新疆の強制労働で生産(ユニクロも話題になった)されているとの話もある。中国が太陽電池で世界を席巻したのは当時から圧倒的に安いポリシリコンのおかげという噂はあった。今になって種あかしをされてもという感はある。昔の話だが新疆ウィグル自治区のベンチャー企業と太陽電池システムの製造販売の合弁会社をつくるという話があった。交渉役として何度も出掛けた。当時は中国全体の太陽電池産業はまだ未成熟であり現在世界No1の姿など想像もできなかった。一番の難問はベンチャー企業の株主が錯綜しており地方政府も株主であった。先ずは株主の整理統合をお願いしたが地方政府は北京政府にお伺いを立てないと株主変更はできないと強硬だった。それでも最後は株主の数も減り何とか合弁できると思ったがこちらのオーナーが痺れをきらし結局は新会社設立とはならなかった。当時中国では国有企業が民間に払い下げられ優遇措置もあり急速に力をつけて行く例は沢山あった。今回の講義が昔聴けていたらもう少し中国の現状を理解して交渉に臨んだろうが大所高所の考え方など微塵もなく考え方も狭かったように思う。勉強は役に立つ間にしておくものである。

 


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