トーストとコーヒーの朝食を摂る。もう何十年と続いているメニューだ。食後30分くらいは体温が上がって汗が出るのが当たり前だったが今朝は違う。窓を開けると余熱の残った部屋に微かな冷気が侵入する。こういう朝を待っていたのだ。それでも晴天なので昼間は暑くなるのだろう。幾ら太平洋高気圧の張り出しが強くてもそうは続くまい。冷気が差し込む朝の頻度が増してやがて秋が来ることは分かっている。昨日までは今年の冬がどんなに寒くても暑いよりマシと言おうと思っていたが出鼻は挫かれた。
今日は高校野球の準決勝である。準々決勝あたりから高校野球は俄然面白くなる。実力が拮抗している者同士がぶつかるからだ。明らかに実力差があるチームだとスタンドで応援している人が可哀そうに思えてくる。レギュラーに成れずユニフォーム姿で応援する者、重い楽器を抱えた吹奏学部、化粧っけなどないチアガールの必死さ、この日までどれだけ練習を積んで来たのか、彼らの高校生活を思い遣ってしまう。しかしそれは他人が見る目で本人たちは充実の高校生活だったろう。可哀そうなのはそう言う事の無かった自分かも知れない。
今年の高校野球は長髪の選手が目立つようになってきた。勿論坊主頭でなければならないとは思わない。選手自身がどういう髪型が良いか判断すれば良いと思う。坊主頭の良い所は汗をかいても水道の蛇口で水を浴びてさっと撫でれば霧のように水が飛んでいく簡単さである。しかも髪は伸ばそうと思えば元通り何時でも伸びてくる。一時期の坊主頭の是非を云々するのも馬鹿らしい。リタイア後は永六輔さんの髪型のように思い切って短髪にしている。手入れは不要、洗髪が簡単、何よりも清潔感がある。元通り伸びて来る保証もないままやっているから高校生より覚悟を持っているとも言える。