ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツでの農場体験(3) <クライン・ガルテンはどこに?>

2014-02-22 14:45:39 | 日記
8月27日(火)、椎茸の収穫は続いているのですが、多分、収穫量は相当落ちてきていると思われます。収穫作業に平行して、古くなった菌床は庭先に出して乾燥処理(自然乾燥)をしています。庭先に小さなビニールハウスが設けられており、その中に棚があって順に並べて行きます。この乾燥した菌床は冬場の暖房用燃料にするとOさんは言っています。捨てるものは本当に僅かで、よく考えているなァと思いました。

この日の夕食後、奥さん(Eさん)が食堂に居たので少し質問して見ました。ちなみにEさんの実母は比較的近くに住んでいるらしいのですが、2ヶ月ほど前に脳梗塞で倒れて車椅子に頼る状態らしいのです。そのため、Eさんは日中や夜間もしばしば世話をしなければならず、私達といっしょに食事することも少ない日が続いているのです。ですから、夕食後(20時頃)に落ち着いて話ができそうなのは珍しいことなのでした。

聞いてみたのは「クライン・ガルテン」のことです。日本にもこのシステムはあるのですが、発祥の地であるドイツではどのように扱われているのか。その実態等を確認することも、今回の訪独の目的の一つなのです。クラインは小さいの意味です。ガルテンはガーデン、つまり庭を意味しています。直訳としては小さい庭と言うことになりますが、日本では「市民農園」・「市民菜園」等と訳されていることが多いように思います。

さて、Eさんに「クライン・ガルテン」のことに関して聞きたいのですが・・・と言いましたが(ドイツ語と英語で)、知らないと言うのです。英語の発音が悪いのかなと思いつつ2・3回繰り返しますが同じでした。それではと言うことで意味を伝えました。例えば都市の周辺に設けられている小さな畑のようなもので、市民がそれを借りて野菜などを栽培するもの・・・。やっと意味が通じました。Eさん曰く、それは「シュナイダー・ガルテン」のことですねと。そう言えば私も聞いたことがあり、そのことを思い出しました。シュナイダーと言うのはシュナイダー博士のことで、そもそもこの仕組みを考え出した人の名前なのです。クラインよりもシュナイダーの名前で呼ばれているのかなと思った次第です。

何故そのようなガルテンに関心があるのかと逆に聞いてくるので、日本にもあるがその主たる目的は、例えば中山間地の人口減対策の一つとして、都会との交流人口を増やすキッカケにするとか、結果的にIターンのような移住者を増やすとか・・・そうしたことが目的になっていると伝えました。そして、その発祥の地ドイツでの実態を見てみたいとも伝えたのです。するとEさんが知っていることを教えてくれました。

ドイツでは比較的大きな都市の周辺に設けられているが、利用するには条件が結構厳しい。裕福な家庭の場合は借りることはできないとも言います。また、ラーデン周辺では農家も多いし、市街地の戸別住宅には庭もあるので、この辺りではそうしたガルテンは存在しないし、市民も関心がない。近くの都市でありそうなのはミンデン(人口8万人弱)かオスナブリュック(人口16万人)ぐらいかと言うのです。

そしてすぐに調べてくれました。ミンデンにあるとのことです。しかし、こうした場所は部外者が入れないようになっていて、契約者だけがゲートの鍵を持っていて出入りが可能になっている筈だと言うのです。仮に、その場所へ行ったとしても入場できない恐れが高いと教えてくれました。


クライン・ガルテンに入れるかどうかは別として、比較的容易に行ける場所を探すことにしました。早速、Google Earthでミンデン(Minden)を拡大して街の周辺を見ると、それらしきガルテンが密集している区域があることがわかりました。他の都市周辺もチェックしてみると結構あります。自転車で行けそうな片道20km程度の場所にもないのかどうか調べましたがなさそうです。ラーデンから最寄のそれは、ミンデンらしいのは間違いなさそうです。すぐには訪問できないかも知れませんが、滞在期間中の日曜日を狙って現地訪問してみようと考えたのです。

この件については、後日、ミンデンを訪問することになったのでその中で結果をお伝えしたいと思います。また、「ミンデン」にはいくつかの予期しなかった成果(?)も付いてくるのでした。 ~続く~

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