ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツでの農場体験(14) <新しい事、新しい人・・・ヴィーガン? >

2014-03-07 21:58:40 | 日記
9月30日(月)、今日は新しい作業が入ってきました。ホストのOさんはマッシュルーム栽培を生業(なりわい)にしているのですが、収穫したマッシュルームを近在のレストランやマーケットに出荷するだけでは、収量の方が勝ってしまっているようなのです。基本的な商圏は「近場」と言うポリシーを持っているのですが、それだけでは余剰が出てしまっているのでした。そこで、この年(2013)から新商品を自ら開発しネット(インターネットの意味)で販売することを計画していたのです。

手始めに、何種類かのマッシュルームを乾燥させていました。そしてそれらを一定の割合でミックスし、且つ、数種の乾燥ハーブや若干の塩も加えてパックしたものを商品として考案中なのでした。いわば保存食品の一種とも言えるのですが、主な用途としてはパスタ用のソース材料です。1食分か2食分程度の量でパックしており、場合によっては使い切りも考えられますし、ジッパー付きのパックになっているので、未使用分が生じた場合はそのまま保存ができるような配慮もされた商品です。ちなみにマッシュルームの乾燥には写真のような太陽熱を利用した乾燥機も自作しているOさんなのです。もちろん電気式の小型乾燥器や電気オーブンも使用しています。
(写真: 太陽光で乾燥させる自作装置)

ハーブは奥さん(Eさん)が栽培しているのでそれを使っているのかなと思いましたが、現在のところ、ハーブの栽培量は多くはないとのことで自家栽培ハーブをブレンドしているわけではありません。当然、全ての材料が自家栽培品で賄えるのであれば申し分ないところですが・・・。
(写真: 奥さん栽培のハーブ類)

ホストのOさんは毎日のように自ら調理しているぐらいで、料理にも手馴れた人なのです。パスタ用ソース材料の素としての商品開発は、試行錯誤を重ねながらも自分で行っているのでした。そして時折それらの味付けについて身近な人達に聞いたりするのです。当然私も聞かれたましたが、味覚や食習慣の違いもあって、適切な評価ができたかどうか、ちょっと難しいのが実感でした。

いずれにせよ、新しい商品は開発できたのです。そしてパックに貼り付けるラベルデザインはOさん自身によるものです。またラベルに記載する文言は奥さん(Eさん)とOさんの共同制作でした。

私の分担は、完成した調合方法に基づいて材料をミクシングしてパッキングすること、及び、パックへのラベル貼りであったりラベルへの印字作業等をすることでした。もっとも、一日中同じ作業をするのではなく、午前中は再び始まったマッシュルーム栽培の一連作業であったり、午後は新商品のパッキングをする等、多少のアクセントも考慮した作業配分をOさんは考えてくれているのでした。
(写真: 新商品)
(写真: 自作のラベル)
(写真: ミクシング)

この日はもう一つ新しいことがあったのです。それは新しい仲間がやってくると言うのでした。フランスからの若いカップルと言うことしか分っていません。夕食時間(19時頃)には到着するとの連絡があったらしく、Oさんはフランス人カップルのために「味噌汁」を作ってくれないかと突然頼むのでした。材料を確認してみました。日本から持参した味噌も残り僅かになっていました。5人分の味噌汁はムリと判断しましたが、まァ、自分は遠慮すればよいので3・4人分を作ることにした次第です。

具はジャガイモとカットワカメぐらいしかありません。止む無くあまり使ったことはないのですが、溶き卵を落とすことにしました。これで少しは味噌汁の格好が作れるかなと思ったのです。

18時半頃から味噌汁を作り始め、19時には予定通り出来上がっていました。後は新人のフランス人の到着を待つばかりです。しばらくしてOさんが一人で食堂にやってきました。約束の時間に駅に迎えに言ったのですが彼等は列車から降りてこなかったとのことです。連絡手段がないとのことで彼等が今どこに居るのか不明らしいのです。

19時半頃になって、ジローは先に食事をしておいてくれと言われたので、止む無く一人で食事を済ませることにしました。そして20時を過ぎた頃、やっとOさんがフランス人カップルを連れて戻ってきました。彼等の食事のセッティングや味噌汁の準備もしてあげました。が・・・

ここで驚きの事実が判明! 彼等二人は「ヴィーガン」(vegan)だと言うのです。この時、正直言ってヴィーガンの意味するところは知りませんでした。言葉そのものも初耳だったのです。彼等とのやりとりを横で聞いているとヴェジタリアンの最強(?)のレベルを意味しているらしいことがわかりました。チーズを含む乳製品類もダメ、卵もダメ、究極はハチミツもダメ・・・動物由来のものは全てダメなのです。(詳しくはご自分で調査してみて下さい。)

と言うことは、夕飯で用意した味噌汁には、魚類(カツオ)が含まれるホンダシも入っているし、溶き卵も入れているし・・・無駄になってしまった・・・と思いきや、女子(年令20歳ぐらい)のSOさんは「飲める」と言います。実際に器にとって味噌汁を出してあげると美味しそうに飲んで「美味しい」と言ってくれました。(これって、どう言うこと???・・・でした) 男性のSI君は材料を聞いた時点で「飲めない」と明言しています。

後からわかったことですが、同じヴィーガンを名乗ってはいる二人なのですが、SI君は信条的にも徹底した感じで、出されたものは必ず材料等を聞くのです。女子のSOさんはチーズも卵も食べていますので、そのレベルに幾ばくかの違いがあるのでした。

この日から1ヶ月あまりをこのフランス人カップルと生活を伴にしたのです。また、私にとっては初めてのヴィーガンですので、この日の夕飯後にネットを使って、その何たるかを詳細に調べたのでした。 ~続く~

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