荒川修作のテントの作品
荒川さんを初め周りの方は今蚊帳作りをしてあるみたいです。私も前に反転住宅を見に来た時、103号にあった白い丸い小さな形をして吊り下げられた蚊帳を見て羽衣を着た天女が反転住宅に降りて来ている気がしました。入居を果たした後その蚊帳が欲しくてたまらなくて松田さんにお願いしたりしましたが、あの蚊帳は岡さん(ニューヨークの9.11の跡地のモニュメントをデザインした彫刻家の岡さんの作品)で、フランスの美術館で展示するかも知れないという事であきらめました。東京芸大の授業で正木氏のテントの話から、、蚊帳に意味を見出し、蚊帳を手にいれました。反転住宅には蚊帳が美しくマッチします。白く丸い蚊帳にはかなわないけど竹炭入りの黒い蚊帳で今満足しています。蚊帳についての記憶を辿ろうと思い製造元の梯チズコさんに「蚊帳の思い出」を書いてもらいました。私達の年代では蚊帳の記憶はハッキリしません。もう少し年配の人で梯チズコさん(72歳)にお願いしましたら、それを読んでまたまた蚊帳に魅せられました。
蚊帳のおもいで
1、雷が鳴ると、早く早くと蚊帳の中にはいった幼少の頃
今思えば麻だったから、電磁波予防の科学的根拠があった昔の人の知恵
2、麻の蚊帳は重かった。布団を敷いた後、部屋の四角に吊るした紐に結びつける。たたむのは一層苦痛、四角を合わせてふり払うのに小身の私にはかなりの負担。
3.嫁入り道具の一つだった。今でも大事にとっている。
この頃化繊混じりの蚊帳が出てきた(s30年頃)
4.何より大事だったのは蚊帳
出入りを機敏にしないと同時に蚊が入る。蚊帳の中で蚊を追って叩いたものだ。
扇風機もなく、ただ暑い暑、と云いながらうちわを使っている内に何時の間にか眠りにつく。家族5人一つの蚊帳の中に、テレビがなく話しが出来る、一体感のようなものがあった。
5.子供の昼寝用に拡げて使うものができ、重宝した。
キャンプに持っていった事もある。草原に張って友達と寝た事もある。