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プレミアムフライデーの行方

2018年07月11日 | コンサルティング

プレミアムビール、プレミアムチケット・・・など「プレミアム」がつく言葉にはいろいろあります。この「プレミアム(premium)」という言葉、最近では様々な場面でよく使われていますが、改めてその意味を調べてみると、「他の物より価値があること。高級。上等。高価」などとあります。さしずめ「高級なビール、高価なチケット」といったところでしょうか。

さて、プレミアムに関連して、皆さんは昨年(2017)2月から始まった「プレミアムフライデー」を覚えていますか?当時、政府と経済界の鳴り物入りで始まりました。目的は給与支給日直後の毎月最終金曜日の午後3時に仕事を終えることを奨め、働き方改革とも連携してその後の時間を買い物や旅行などに充てることを推奨したものです。

経済産業省のホームページを見ると、次のように書かれています。  「プレミアムフライデーとは、個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買物や家族との外食、観光等)や、そのための時間の創出を促すことで、

(1) 充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる (2) 地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる    (3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる

といった効果につなげていく取組です」なるほど、多種多様な目的があったことがわかります。

さて、プレミアムフライデーが導入されて早1年半。スタート当初は様々なニュースなどで報道されていましたが、最近では話題に上ることはほとんどなくなったように感じます。また、私の周囲ではこれが話題になったことは、実はこれまでに一度もありません。

ニッセイ基礎研究所のデータによると、プレミアムフライデーの認知度自体は94.5%にもなるようですが、普及率はわずか3%ほど。この数値からも鳴り物入りで始まり、知られている割にはさほど普及していないことがわかります。

実際、導入しているのは旗振り役の公務員や民間企業では大企業が中心とのことですから、一般に広く普及しているとは言えません。

それでは、このプレミアムフライデーはどうしてあまり普及しなかったのでしょうか?

「月末で忙しい、賃金が上がるわけでもないのに時間だけ与えられても困る、そもそも仕事が減るわけではない」などなど様々理由があるようですが、確かに月末の忙しい中、仕事を残してまでやりたくないというのは本音なのでしょう。

プレミアムフライデーに限ったことではありませんが、このように制度ありきで形を作ったとしても、運用面がきちんと整っていなければ、結局は絵に描いた餅になってしまうのは当然のことです。

話は変わりますが、つい先日(7/6)「働き方改革関連法」が可決・成立しました。これは(1)残業時間の上限規制、(2)高度プロフェッショナル制度、(3)同一労働同一賃金を中心とした8つの法律で構成されています。しかし、法律が成立して形(ハード)が作られても、実際の運用面(ソフト)をきちんとフォローしなければ、プレミアムフライデーのように本来の目的には全く届かないという結果になりかねません。

実際に働き方改革を進める現場の企業等においては、「誰のための、何のための法律なのか」ということをあらためてきちんと押さえたうえで、取り組んでいただくことを強く期待します。

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