中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,107話 就きたくない職種ナンバー1

2022年03月20日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「あなたが就きたくないと思う職種を教えてください」と聞いたところ、最も割合が高かったのは「営業」の43%で、「営業」職は男女とも非常に敬遠されていることが明確となったそうです※。

この結果について「意外だ」と思う人は少ないでしょう。営業の仕事といえば「ノルマに追われ、嫌な客に頭を下げ、その挙句断られ、上司から怒られる」というイメージだと思います。

では、世の中から営業の仕事が一切なくなったらどうなるでしょう。必要な商品やサービスに関する情報はすべてネットから手に入るとします。そして、欲しいものがあればAmazonで買い物をするように何でも手に入り、すぐに届けてくれるならば別に営業など必要なさそうです。「わざわざ売り込みに来てくれなくても結構!」つまり、営業が無くなっても全く困らないと言いたくなります。

たとえば「スマホが欲しい」という人のニーズは千差万別です。先端の機能を使いたい人もいれば仕事で使うだけなので並みの機能で良いという人もいます。また、お年寄りは古いタイプの携帯電話が使えなくなったので買い替えたいだけ、ということもあるでしょう。そうした細かいニーズに応えることができるウェブサイトもありますし、AIを使った電話応対もあります。

しかし、現状はそう上手く行っているとは思えません。

スマホを買おうと思ってウェブサイトにアクセスしても、よく分からないので電話をしてみました。録音された音声ガイダンスに従って何度か番号を押したり、#を押したりしました。ようやく繋がるかと思ったら「ただいま大変込み合っています。しばらくしてからおかけ直しください」という音声が聞こえてきました。

こうした経験で気分を害したという方も多いでしょう。私たち「生身の人間」には感情があります。機械には(今のところ)感情を読み取って対応する機能はありません。

一方、優秀な営業担当者は「生身の人間」が発する複雑な感情を感覚的にキャッチして的確な対応をとります。そして、様々な視点から情報を引き出して真のニーズを見つけ出します。そんな高度なスキルを持った営業担当者は、今後ますます必要とされることでしょう。

しかし、それができる優秀な人材はそう簡単には現れません。非効率で面倒な手法ですが、結局は「ノルマに追われ、その挙句断られ、上司から怒られる」という辛い営業を経て生き残った少数の人たちからそういう人材が現れるのだと思います。

AIはまだまだ人間の営業力に追いついていません。営業は「就きたくない職種ナンバー1」かもしれませんが、生き残ることができればAIをしのぐ凄いスキルを手に入れることができます。

来月、もしあなたの会社の新入社員が営業に配属されて不満そうにしていたら「AIに勝てる職種だよ!」と言ってあげてください。

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※ 「ジョブ図鑑」(株式会社Agooraが運営)の調査による https://job-zukan.jp/