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第1,102話 オンラインセミナーの参加条件とは

2022年03月02日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

コロナ禍になって以降、オンラインで行われる研修やセミナーが多くなりました。対面型とオンラインのそれぞれにメリットとデメリットがありますが、既に言い尽くされた感もありますので、ここではその点にはふれません。しかしながら、オンラインに関しては最近改めて顕在化してきた問題点が2点あると考えていますので、ここで紹介したいと思います。

1点目は、オンラインで行われるセミナー(公開型)の時に「ビデオをオフにして、画面に顔を出さない」こと、さらに2点目として「セミナーで、講師からブレイクアウトセッション(数名のグループに分かれて話し合いをする)に参加するよう促されても、それに従わない人がいる」ことです。

1点目の顔を出さないことについては、既に本ブログでも言及している(第1,028話 オンライン研修で顔を出さない人の心理とは?)ところですが、最近はオンライン研修に慣れたからなのか、以前よりも顔を出さない人が増えていると感じます。

先日、私自身が受講者としてあるオンラインセミナーに参加したときのことですが、顔を出しているのは1割くらいであり、さらに講師から「これから4~5名のグループに分かれて話し合いをしてください」との指示があったのですが、オンライン上のグループ討議に参加したのは私を含めて2名のみでした。他の人が参加しなかった理由はわかりませんが、4~5名での話し合いをイメージしていた私としては、2名しか参加しなかったことも少々驚きでした。

そこで、講師として研修やセミナーを担当する際に、顔を出さない人に対してどのように感じているのかを同業者に聞いてみたところ、一部に「全く気にならない、DJになったと思えばよいのでは」と答えた人もいましたが、大半は「顔を出さない、グループ討議に参加しない人がいるとセミナーの進行上、支障があると感じている」ようでした。

それでは、今後こうした状況を解決するためにはどのようにすればよいのでしょうか。通常、公開型のセミナーは主催者に強制力がありませんので、顔を出すか出さないか、グループ討議に参加するかどうかは受講者の自己判断に委ねられる部分が多いのです。そうした状態だからこそ、今後、主催者側は研修やセミナーの募集をする際に顔を出すこと、グループ討議にも参加することなどを参加条件として事前にアナウンスすることが大切だと考えています。

実際、2週間ほど前に私が担当させていただいた公開型のオンラインセミナーでは、冒頭に主催者が「この研修はビデオはオンにし、途中にグループ討議もあります。」ときちんとアナウンスをされましたので、参加者全員が顔を出し、さらに積極的に討議に参加し、各グループに私が入室した際も熱心に意見交換をされていました。

また、先週担当させていただいたオンラインセミナーでは、開始時には半分くらいの人しかビデオがオンになっていませんでしたが、冒頭で主催者が顔を出す意味を丁寧に説明してくださったところ、物理的な理由で顔を出せない一人を除き全員が顔を出してくれました。その結果、演習も双方向で進めることができ、受講された方にとっても講師の話を一方的に聞くより理解が深まったのではないかと考えています。

受講者が研修やセミナーに求めていることは様々だと思います。講師からテーマに基づく話を一方向で聴きたいのか、あるいは特定のテーマについて講師から情報を得るだけでなく、演習やディスカッションを通して理解を深め、知識やスキルを獲得することを目的として参加しているのか、人によって異なるかとは思います。しかし、だからこそ対面型とオンラインと選択することができる今はある意味でチャンスであり、積極的に活かすべき機会ではないかと考えています。    

オンラインによるセミナーのメリットはたくさんありますので、今後ますます拡大していくと思います。受講者にとって有用なものとするためにも、主催者側は参加条件などの事前のアナウンスをしっかり行い、受講者はそれを納得したうえで積極的に受講していただきたいと考えています。

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