中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第869話 きれいにするのがゴールではない

2019年12月18日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「10秒以内」

これはある企業の「ルール」なのですが、何についてのルールか想像がつきますか?

毎年、この時期になると雑誌やテレビなどで整理・整頓に関する特集が組まれます。また、仕事納めの日には、机やキャビネット等の片づけをすることが年中行事となっている企業も多いと思いますが、あなたの会社ではいかがでしょうか?

しかし、せっかく一日かけてきれいにしても、仕事始めから2週間くらいが経過すると、また元の木阿弥になってしまい、あっという間に机の上に書類が山積みになってしまう人も少なくないようです。

もちろん、そういう状態になったとしても、不思議と本人には書類のありかに検討がつくようで、山積みになっている中から必要書類を上手に引き出せる人がいます。

本人にとっては全く問題がないようなのですが、しかし、いざその人が休んだり、外出先から「あの書類を探してほしい」と頼まれたりすると、他の人間は全く見つけることができないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

さて、冒頭の「10秒以内」はトヨタ自動車のルールです。同社では書類を10秒以内に取り出すことが暗黙のルール」になっているとのことです。同時に「大勢の人が共有して使うものは、他人が30秒で探せるように定位置を決める」こともルールになっているそうです。(トヨタの片づけ OJTソリューションズ 中経出版)

書類やモノを探すための時間は、ただ消費だけするだけでそこからは何も生み出しません。

コクヨ株式会社の調査によると、人は1日に平均20分も探しものに時間を費やしているそうです。1週間で考えると100分もの時間探し物をしていることになってしまい、何とも長い時間を浪費していることになりますから、これを何とか解決しなければなりません。

弊社が行っている「仕事の渋滞解消研修」のプログラムでは、書類と仕事に関するモノの整理についても紹介していますが、そこでは「書類やモノの整理は目的ではなく仕事の結果」だとお伝えしています。つまり、片づけること自体を目的にするのでなく、仕事の流れを整理した結果として、机の上がきちんと片付いているということが望ましい状態であるということなのです。

ですから、何も考えずにいきなり机やその周辺の片づけをするのは、それ自体が目的になっているので、時間の経過と共にすぐに元に戻ってしまうということになるのです。

そうならないようにするためには、先ず自分の仕事の流れをフローで捉え、それ毎に何が必要で不要なものは何かを整理して、整頓(必要な書類やモノをすぐに取り出したり、元に戻したりできるようにな置き場所を決める)していくことが大切です。その結果として机の上やキャビネットが片付いている状態になるということです。そうなれば、すぐに元の状態に戻ってしまうということは少ないでしょう。

「片づけてもすぐに散らかってしまう」という人は、先ず仕事の流れを先に整理すること。これがポイントです。

お問い合わせ【株式会社人材育成社】 

人材育成のホームページ