中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第844話 話が長い人の心理

2019年09月25日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「自己紹介の時間は1分です」

弊社が研修を担当させていただく際、冒頭にグループ内で自己紹介の時間を設けています。

たとえば1人1分間で自己紹介をする際には、こちらで時間を1分ずつ区切り、1人ずつ順番に行っていただくようにしています。なぜかというと、時間を区切らずにまとめて人数分の時間を提供すると、中には1人でたくさんの時間を使ってしまう人がいるからです。そうすると時間内に全員の自己紹介ができないことがよくあるからなのです。

先日、あるセミナーに私が受講者として出席した際にも、自己紹介の時間を1人1分間でと講師から告げられていました。

講師からは「特に経営者は話が長いです。1分間を厳守してください」と釘をさされていたのにもかかわらず、1人で全体の半分上の時間を使って自己紹介をした人がいて、結局ようやく3人目に移ったところで時間オーバーとなってしまいました。

このようなことは自己紹介の時間のみならず、プレゼンテーションの研修を担当させていただく際にも起こります。事前に「1人のプレゼンテーション時間は10分間です。10分間の前提で準備をしてください」とアナウンスしていても時間切れになってしまい、途中で話を終わらせざるを得ない人も少なくありません。

では、予め決められている時間内に話を終えられない人がいるのは、どうしてなのでしょうか?

その理由としては、たとえば、話をしたいことがたくさんある、聞き手に理解してもらいたい、自分の存在意義を伝えたい、話がまとめられていない等々複数考えられます。

しかし、私はどうも理由はこれだけではないように感じるのです。こうした人はそもそも「時間に関するコスト意識」が低いのではないかと考えています。

ビジネスパーソンが仕事の一環で研修に参加しているのであれば、当然そこには相応のコストが発生しているわけで、決められた時間を守らずに進行が遅れる結果、当の本人にとってだけでなく、そのグループ全体、さらにはその研修全体の進行も遅れることになります。結果としてプログラムへの影響などが発生し、参加者全員にとって、余計なコストが発生することにもつながります。

このため、仮に研修でプレゼンテーションの練習を10分間で行っていただく場合には、終了3分前に1度チャイムで時間を知らせるなどの対策はしているのですが、時間をオーバーしてしまう人にはあまり効果がないようで、対応に苦慮しています。

言うまでもなく、時間は大切な経営資源であり、何も生み出さないことに時間を使うような事態は極力避けなければなりません。

自己紹介にしろ、プレゼンテーションにしろ、貴重な経営資源である時間をしっかり意識して、与えられた時間内にきちんと話をまとめること、これはビジネスパーソンにとって必須の能力だと考えているのですが、皆さんはいかがでしょうか。

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