中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第842話 自己啓発をしている人は、仕事も熱心に取り組んでいるのか

2019年09月18日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「自己啓発に努め、学習しているか」

弊社が管理監督職の研修を担当させていただく際に、マネージャーの役割を診断テストを使って確認していただくことがあります。具体的には、15の質問に5段階評価で答えていただいているのですが、そのうちの一つが冒頭の質問なのです。

この診断テストは、これまでに1,800人以上の方に受けていただいていますので、たくさんのデータが蓄積されています。

データを分析するためにも、定期的に質問項目別の標準偏差をとっているのですが、その中で回答にばらつきが出る質問が3問あり、そのうちの一つがこの質問なのです。

回答では、大変熱心に自己啓発に取り組んでいる人がいる一方で、全く行っていないという人もいます。この傾向は業種に業態や規模に関係なく、同様の傾向が出ています。

それでは、自己啓発を熱心に行っている人とそうでない人には、どういう違いがあるのでしょうか。

研修を担当させていただいている者として感じるのは、自己啓発を熱心に行っている人には、研修を前向きに受講し、仕事でもきちんと成果を発揮している人であるという共通点があるようなのです。

もちろん、私は外部講師として研修を担当させていただいていますので、実際に仕事をしているところを見ることはできないのですが、研修の人事担当者から伺う話によると、総じて前述のように仕事のパフォーマンスも高いとのことです。

厚生労働省が毎年実施している「能力開発基本調査」(平成30年)によると、自己啓発を行った人の理由を見ると、正社員では「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」(87.4%)が最も多く、以下「将来の仕事やキャリアアップに備えて」(58.9%)、「資格取得のため」(32.2%)、「昇進、昇格に備えて」(20.7%)と続いています。

このデータから言えるのは、仕事で成果を発揮できている人は、そのために必要な知識やスキルを身に付ける努力を自発的にしており、それが結果として表れているということなのではないでしょうか。

もちろん、努力しなくても仕事で成果を出せるという人や、あまり積極的にではなく努力したという人もいなくはないです。しかし、多くの場合、仕事で顕著な成果が出せている裏側には、多かれ少なかれ自らすすんで行った努力の跡があるはずです。

つまりは、同じ努力をするにしてもいやいやではなく、自ら進んで行うという点がポイントなのだと考えています。

以前から、自己啓発と仕事の成果には因果関係があるのではないかという仮説を持っていましたが、改めて本格的に調査していきたいと考えています。

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