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営業の究極のon the job training

2017年12月13日 | コンサルティング

 入社したばかりの新人であっても営業職に着いたら、営業現場では、会社の一代表として営業するわけです。新人であっても、営業パーソンのイメージが、その会社の評価につながります。新人には責任重大と感じることでしょう。

マイナスの出来事については会社全体の評価とされて、プラスのことは個人として評価されると言われます。たとえば、一人の営業パーソンが続けて遅刻をした、言葉づかいが悪いなどのマイナスの評価を下されると、「あの会社はダメだ、あの会社の教育はどうなっているんだ」と個人ではなく、会社がマイナスの評価をされてしまします。反対に営業の行動がプラスのこととして認識される場合は、会社のプラス評価にはならず、あの営業パーソンはいいねと個人が評価されると言われています。

さて、先日弊社にやってきたある中堅と思しき営業パーソンは、商品の説明をした後に、何点か我々に質問した後に「トイレを貸していただけますか」と言って、トイレに入りました。来社後30分くらいしかたっていなかったのですが、その際は生理現象ですので、特別に違和感は持ちませんでした。しかし、後日再度提案書を持参して弊社に訪れた際にも、前回同様30分が経過したくらいのタイミングに「トイレを借りたい」と言って、トイレに行き、その後10分くらいは出てきませんでした。

「営業先でトイレに行きたくなった場合どうしたらよいですか?」については、新人営業研修で質問される事柄の1つです。一般的にはトイレは事前に済ませておくべきではありますが、そうは言っても生理現象です。状況によっては、借りなければならないことも現実問題としてあります。その際は、丁寧にお願いをして、お借りしなければなりません。しかし、弊社にやってきた営業パーソンは、初回と2回目の訪問と続けて2回トイレに行くことには、少々違和感がありました。

この営業パーソンがトイレに行かなければならなかった本当の理由はよくわかりません。もしかしたら、新規顧客になり得る会社を訪問して、緊張のあまりトイレに行かざるを得なければいけなかったのかもしれません。しかし、トレイからでき来た彼の表情からして、切羽詰まったものではなかったと推測しました。それでは何をしていたのか?あくまで推測ですが、弊社では彼はトイレで携帯電話を使って上司の指示を仰いていたのではないかと考えています。これはひょっとしたら究極のスマートフォンを使ってのon the job trainingと言えるのではないでしょうか。

営業パーソンの教育は大切ですが、それにしても客先のトイレに入って、上司の指示を受けるのはいかがなものかというのが正直なところです。

弊社では結局、営業パーソン個人の資質としてではなく、彼が所属する会社の姿勢に疑問を感じたために、この会社とのお付き合いは始まりませんでした。 この1件以降、on the job trainingの意味を今一度確認する必要があると言い続けています。

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