中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

中小企業の離職防止は「相性が悪かった」で済ませないこと

2017年12月03日 | コンサルティング

「苦労してようやく採用した新人が半年と経たずに退職した」、「入社3年目の社員が転職を理由に辞めてしまった」中小企業の社長からそんな声を聞くことがあります。1人の社員が抜けるだけでも大きなダメージを受ける中小企業にとって、若手社員の離職は大きな悩みです。

七五三現象」という言葉があります。就職して3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職するという現象です。なかでも、将来の幹部社員として採用した大卒の3割が辞めるというのは痛手です。

実際、厚労省の調査によれば「新規大卒就職者の就職3年後の離職率」は従業員30人~99人で38.3%、従業員5~29人では50.2%にもなっています(いずれも平成26年のデータ)。中小企業では大卒の新人を採用しても3年以内に約半分が辞めてしまうのが現実です。

では、どのような対策をとるべきでしょうか。私共は中小企業、特に従業員20人以下の小規模事業者では、社長ご自身が人材育成を担当することをお勧めしています。

ウェブで公開されている調査結果を見る限り、社員が会社を辞める理由は「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」、「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」など、やはり人間関係に起因するものが多いことがはっきりしています。人間関係とは、簡単に言ってしまえば人と人との「相性」です。

しかし「相性」という言葉ほど曖昧なものはありません。「相性」とは単純に感覚的なもののようですが、実は仕事に対する考え方、行動のスピード、コミュニケーションのとり方など、様々な要因から成り立っている複合的な感情です。「相性が悪い」というのは、そのひとつひとつのちょっとしたズレが積み重なって生じるマイナスの感情の発露です。

会社のトップである社長が、こうした様々な要因をできる限り意識して、ちょっとした「ズレ」も見逃さず話し合って解決することで致命的な「相性の悪さ」を避けることができます。中小企業は社長=会社ですから、会社と社員のズレ、すなわち退職する理由のほとんどを無くすことができます。

もちろん、それでも辞めていく社員はいることでしょう。しかし、少なくとも若手社員の離職率を半減させることはできます。

社員の離職にお悩みの経営者のみなさま、是非私共にご相談ください。

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