中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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大企業出身者は中小企業では使えない

2017年11月26日 | コンサルティング

 

このタイトルを見て「そのとおり!」と思った方も多いでしょう。ただし、もしあなたが中小企業の経営者ならば、そう考えることは会社にとってマイナスです。先日、ある中小企業の社長と雑談をしたときに大企業からの転職者の話が出ました。

「知り合いがX社(大手電機メーカー)出身の技術者を中途採用したというので、どんな感じか聞いてみたんだ。それがさあ、全然使えないって言うか・・・あれがない、これがない、これは自分がやることじゃない・・・まあ、そんな感じだそうだ。大企業にいると周りがいろいろやってくれるけど、中小企業は自分ひとりでなんでもやらなきゃならないからね。やっぱり大企業にいたヤツはダメだね。使えないよ。」

私は「その人を採用したのはいつのことですか?」と聞きました。
「2ヶ月くらい前かな。」
「誰でも新しい環境に慣れるのに時間がかかります。2ヶ月で判断するのは早過ぎます。最低半年は見守る必要があります。」
「そんな悠長なこと言ってらんないでしょ!中小企業なんだから。」

「社長、その人が不満を口に出そうが嫌な顔をしようが、大企業にいたときのやり方が通用しない環境でどのくらい努力できるかが重要です。もともとX社で技術者として働いてきた人です。新しい環境に適応できたときには、大企業にいたときよりもはるかに大きな力を発揮します。半年でそういう人材が社内に生まれるとしたら大成功じゃないですか?」

この社長のように「即戦力」が欲しいのはわかります。しかし、採用することは人を「働く仲間」として受け入れることです。「即」使えないと判断するのは、最初から人を仲間ではなく単なる道具として見ているからではないでしょうか。

「道具か仲間か」くれぐれもお間違えのないように!

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