中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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物流が主役になる日

2017年09月17日 | コンサルティング

「製造部はなんでもかんでもたくさん作りたがる」、「営業部はいつだってお客の言いなりだ」。こういう愚痴を聞きたければ物流部に行ってみることです。物流を担当する部署は、製品の保管や移送を担っています。物流倉庫には溢れんばかりの製品が山積みになっています。何年も出荷されずに滞留している不良在庫も目立ちます。だから倉庫の中では先程の愚痴が聞こえてくるのです。

愚痴の原因のひとつは製造部の事情です。人件費は固定費ですから、1時間に100個作るよりは200個作った方が1個当たりのコストが下がります。材料だって一度にたくさん購入した方が割安です。製造原価を下げることが至上命題ですから、製品をたくさん作りたがるのは自然なことです。

もうひとつは営業部の事情です。大幅に値引きをしてでも大量の注文が欲しいので、倉庫には製品在庫をたくさん用意しておきたいのです。また、お客様から返品の依頼があった時など、営業にとっては心証を良くする絶好のチャンス!即座に引き取りに行って倉庫に戻します。

かくして倉庫には大量の製品が押し込まれ、物流部の愚痴は一向に収まりません。

しかし、この愚痴にこそ真実が集約されています。

日本の人口が減り続け、モノに対する需要も減少していきます。売れなければ作り過ぎはかえってコストの上昇を招きます。また、お客様の言いなりで小口出荷や返品の受け入れを続ければ、余計なコストがかかります。

モノの流れを確実につかんでいるのは物流部です。そこで提案ですが、物流部を製造と営業の上位に位置づけてみてはいかがでしょうか。もちろん、企業の利益に対する責任も同時に負わせます。

過去の物流データを洗い出し、製造と営業からも情報を集めて徹底的に分析します。物流が製造原価を仕切り、販売目標を決定するというのは一見無謀なことのようですが、営業利益ベースで考えれば案外合理的ではないでしょうか。

物流部門の皆さん、いつまでも脇役でいることはありません。主役になる日は近い!

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