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ネガティブな人が「売れる営業マン」になるには

2016年11月09日 | コンサルティング

営業マン向けのウェブサイトには、様々な「売れる」ノウハウが書かれています。そうしたサイトを見ていると「売れる営業マン」の特徴が浮かび上がってきます。それは次の3点にほぼ集約できます。

(1)ポジティブ、(2)聞き上手、(3)共感力がある

確かに「そのとおり」です。いずれも身につけるためのハードルはそれほど高くないように見えます。

まず、ポジティブであるためには否定的な考え方を止め、何事も前向きに捉えることです。何が起こっても、自分のプラスになると信じて仕事に取り組めばよいのです。

次に、聞き上手になるには、多少忍耐が必要でしょう。どんなに自分からしゃべりたいことがあっても、ぐっとこらえて顧客の話を聞く必要があります。聞くことで顧客のニーズを探り出し、適切なタイミングで適切な質問をぶっつけることです。

最後に、なくてはならないのが顧客の置かれた現状や問題点を親身になって考える姿勢です。人は、話し相手が自分に共感してくれていると感じるときに、相手を信用しても良いという気持ちになります。

以上の3点を習得すれば「売れる」営業マンになれることは間違いありません。

しかし、残念ながらこの3点を身につけることはとても難しいのです。なぜならこの3点、いずれも意識あるいは考え方に依存するからです。

20歳を過ぎた人間にとって、意識や考え方を変えることほど難しいことはありません。もし簡単に変えることができるならば、ほとんどの営業マンは苦労していないはずです。

もともとネガティブな考え方の人に向かって、「もっとポジティブになりなさい」と言っても変わらないでしょう。むしろますますネガティブになって行くような気がします。

「聞き上手」になるのも、かなり大変です。人は、ちょっとしたしぐさや態度から、相手がどの程度自分の話しに興味を持っているのかを簡単に見抜いてしまいます。

共感についても同様に、口先だけなのか、本当に共感してくれているのかはすぐにわかります。それに、たとえ顧客であっても共感したくない場合もあるでしょう。

では、ネガティブで人の話を聞くのが苦手で共感力の低い人はどうすれば良いのでしょうか。

ご推察のとおり、「ずばり、こうすればいい!」という答えはありません。とりあえずは「ポジティブで聞き上手で共感力の高い営業マン」を演じてみてください。

最初は下手でも構いません。演じることが仕事だと割り切ってください。そのうち少しずつ板についた演技ができるようになります。

私が今までに見てきた「売れる営業マン」の多くは、演じることが大変上手でした。

ポジティブな人間になるのは不可能でも、ポジティブな人間を演じることは努力次第で可能なのです。

(人材育成社)