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遅延証明書は何の証(あかし)?

2015年09月16日 | コンサルティング

本日、2015年9月16日の朝、JR中央線は約20分ほど遅れました。

「具合の悪いお客様を救護」、「荷物挟まり」、「安全確認」、「線路内に人が立ち入ったため※」等々、いろいろな理由で電車は止まります。もちろん、朝の通勤時間帯に集中していることは言うまでもありません。

そんなとき、必ず登場するのがこの縦4cm×横8cmの紙片、「遅延証明書」です。これが、改札口の近くに無造作に置かれた箱の中に数百枚単位で入っています。それを通勤客が次々に1枚取っては駆け足で改札を通り抜けて行きます。

この証明書ですが、遅刻による賃金カットに対して効力があるのかといえば、全くないそうです。

堅く言えば、「民法第623条により、雇用契約は労働しなかった場合には賃金を支払う必要はない(ノーワークノーペイの原則)。これは、雇用形態にかかわらない」ということですから、アルバイトでも派遣でも正社員でも同じことです。もっとも、通常は会社側がそこまで杓子定規に対応することは、まずないでしょう。

さて、この遅延証明ですが、海外にも同じような習慣(?)があるのか調べてみたのですが、発見できませんでした(きちんと探せばあるかもしれません)。どうやら、時間に正確な国民性を誇る日本特有のものらしいです。

しかし、朝の通勤電車が毎日のように遅れている現実を見ると、単なる形骸化した風習に思えてしまいます。

日本人が真面目で時間に正確であることは、間違いないと思います。とはいえ、それを自ら確認するためにだけにこんな紙切れを大量に印刷して配るのはどうかと思います。それも毎日となると「自己満足のコスト」は決して小さくありません。

・・・いや、もしかするとそうではなく、これは日本的様式美の一種なのかもしれません。

海外(特にラテン・・・あ、いや、失礼)からお客様がお見えになった時に、お土産として1枚差し上げてはいかがでしょうか。きっと話のタネになることは間違いありません。

※ 線路内人立ち入りの為」は「痴漢発生の隠語」、というのは正しくないそうです。

(人材育成社)