中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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ルールなくして、解決なし

2013年12月14日 | コンサルティング

「共働き夫婦の場合、家計費の負担はどのように分けているのですか?」

先日、最近結婚した若い友人から私が受けた質問です。その友人は「後になってややこしいことにならないように、初めにルールを決めておいた方がよいと思うので、相談したいのです」と言っていました。

我が家の場合は、そういうことをきちんと考えずに結婚生活をスタートしてしまいましたが、知り合いの中には保険料をどちらが1円多く負担するかで一晩中議論を楽しんだ?というエネルギーのあるカップルもいました。(果たして結果はどうなったのでしょうか?)

1円まで追求するのは極端な例だと思いますが、結婚生活の早い段階でルールをクリアにしておくことは、やっぱり大切なことかもしれないと思いました。

始めのうちはお互いに気を遣い、言いたいことを言わずにやり過ごしていても、それが少しずつ蓄積した結果ストレスになってしまうことは夫婦に限らずよくあることです。問題にならないうちに話し合って、「ルール」にすることは大事なことだと思います。

職場の問題発見・課題解決の研修を行っていると、企業の様々な問題に出会います。業種業態によりいろいろな問題がありますが、一見異なるように見える問題も実は3つに分類することができます。

1つ目は情報共有化ができていない(コミュニケーションが足りない)こと、2つ目は残業が多い(人が足りない)こと、3つ目は書類の整理ができないことです。

いずれも根が深い問題ですが、これらはそもそも「ルール」がないことが一番の要因であることが多いです。

つまり、ルールがないので個々人が思い思いの進め方で行ってしまう結果、仕事が属人化してしまい、その人が異動したり退職したりすると大事な職場の財産が消えてなくなってしまうということが起きてしまいます。

こう言うと、「ルールがあれば全てが解決するのか」と思われる方がいらっしゃることと思いますが、もちろんルール通りに進められないイレギュラーな案件もあります。 

しかし、そういうイレギュラーな案件こそ管理職の出番であり、管理職が状況を見つつ判断することが求められます。

2006年に経済産業省が「社会人基礎力」というものを定めています。これは組織や地域で多様な人々と共に働く上で必要とされる、基礎的な力と定義されています。 

社会人基礎力は細かく分けると12のスキルに分かれますが、その中の一つに課題解決力があります。12のスキルを基に1,295社の企業にOJTや研修で強化したいものは何ですかと尋ねた 毎日コミュニケーションズのデータがありますが、2年続けて課題解決力が首位になっています。

このデータからも、問題発見や課題解決力が重要視されていることがわかります。

仕事は問題発見と課題解決の連続です。このスキルを身に付けることはとても意味のあることですが、実は冒頭の話のようにあらかじめルールを決めておくことによって、問題にはならずに済むことが少なからずあるのではないかと思います。

(人材育成社)