パオと高床

あこがれの移動と定住

川端潔『はるかな146億光年の旅』(オーム社)

2010-07-01 08:31:52 | 国内・エッセイ・評論
東京理科大・坊ちゃん選書の一冊。
平成18年に東京理科大が創立125周年を記念して「理学の普及」をめざして企画したシリーズの一冊で、中学生、高校生への啓蒙を兼ねた入門書である。小学生にもいけそうだけれど。

前書きにあるように素朴な疑問にお答えしようというもので、入門書への入門者かな。著者の教授が宇宙に興味を持ったいきさつから始まって、宇宙人はいるのかとか、太陽系はどんな星が作っているのかとか、太陽系の外はどうなっているのかや、宇宙を直進すると、それができるかどうかまで含めて、どうなるのかなどを簡単にわかりやすく解説してくれる。煙に巻かずにといってもいいのかも。でも、それはもちろん宇宙のこと、煙に巻かずともいろんなものに巻き込まれ、さらに興味が尽きないままに、こぼれる謎の魅力にさらに別の入門書をあさりたくさせるところは、なかなか、この本上手くいっているようだ。
銀河の構造や、宇宙の速度の速さ、惑星の比重、さらにビックバン直後の「傷」が宇宙の姿を創り出すといった場面の語りに引かれていく。しかし、宇宙の「泡」構造が、どうもイマイチわからない。そう、そんなところは、また別の本を読もう。

とにかく、この梅雨空の下、ごろごろしながら読むのに楽しかった、数十分で読める本。中身は、ちゃんとありますよ。もちろん、中身があると思うかどうかは、読者の知識量によるのだけれど。
コメント
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