昨年暮れ、買い物客で賑わう「ゆめタウン佐賀」。通路の椅子に座って、くつろぐ人もいる
昨年暮れ、買い物客で賑わう商業施設「ゆめタウン佐賀」(佐賀市兵庫北)。クリスマスツリーを囲む椅子に身を委ねて眠るお年寄り。「なんで、ここに? 運動しに
妻に先立たれ、75歳でタクシー運転手を辞めた江下昌隆さん(82)は連日のように自転車で通う。買い物はせず、店内を歩き、椅子に腰掛ける。
時には1日過ごす。「お金もかからんし、家に一人でおるより気晴らしになるけんね」
来客数も売り上げもトップ
JR佐賀駅からも、佐賀城跡からも遠いゆめタウン佐賀。引き寄せるのは買い物客ばかりではない。
日曜日、佐賀市の人口の4分の1にあたる約5万人もの人が吸い込まれる。2019年2月期、イズミ(広島市)が兵庫以西で運営するゆめタウンなど102店で
来客数も売り上げもトップ。来客の約4割は佐賀市近郊以外から。東は福岡県久留米市、西は長崎県佐世保市からも訪れる。
佐世保から車で1時間40分かけて来店した田中美帆さん(27)は「専門店が多くて買い物しやすい」。ロフトやユニクロなど約210店もの専門店の充実が県外からも客を呼び込む。
街づくりの起爆剤となる大型商業施設
中心市街地のように人を吸い寄せる「ゆめの街」。20年前には、どこまでも田んぼが広がっていた。
ゆめタウン佐賀の地権者の一人、南里光範さん(70)はコメや麦を栽培していた。「農業を続けても先が見えない。子どもや孫のために再開発だ」。
1998年、農家ら地権者約300人がまとまり、兵庫北土地区画整理組合を設立。約120ヘクタールもの土地に新たな街をつくる計画が浮上した。
核となる商業施設の誘致に動いたが、意欲を示すのは小規模店ばかり。「すぐ撤退するのでは」と地権者が不安を抱く中、手を上げたのがイズミだった。
約11ヘクタールもの大型商業施設計画。地権者は「これだけ大きな施設ならば、ずっとここにいてくれる」と歓迎した。
イズミにとって鳥栖市と長崎市を結ぶ国道34号沿いの立地が決め手。車で訪れる県内外の客を見込み、約3200台収容の無料駐車場を備えた。2006年、街づくりの起爆剤となる大型商業施設が誕生した。
昨年暮れ、買い物客で賑わう商業施設「ゆめタウン佐賀」(佐賀市兵庫北)。クリスマスツリーを囲む椅子に身を委ねて眠るお年寄り。「なんで、ここに? 運動しに
妻に先立たれ、75歳でタクシー運転手を辞めた江下昌隆さん(82)は連日のように自転車で通う。買い物はせず、店内を歩き、椅子に腰掛ける。
時には1日過ごす。「お金もかからんし、家に一人でおるより気晴らしになるけんね」
来客数も売り上げもトップ
JR佐賀駅からも、佐賀城跡からも遠いゆめタウン佐賀。引き寄せるのは買い物客ばかりではない。
日曜日、佐賀市の人口の4分の1にあたる約5万人もの人が吸い込まれる。2019年2月期、イズミ(広島市)が兵庫以西で運営するゆめタウンなど102店で
来客数も売り上げもトップ。来客の約4割は佐賀市近郊以外から。東は福岡県久留米市、西は長崎県佐世保市からも訪れる。
佐世保から車で1時間40分かけて来店した田中美帆さん(27)は「専門店が多くて買い物しやすい」。ロフトやユニクロなど約210店もの専門店の充実が県外からも客を呼び込む。
街づくりの起爆剤となる大型商業施設
中心市街地のように人を吸い寄せる「ゆめの街」。20年前には、どこまでも田んぼが広がっていた。
ゆめタウン佐賀の地権者の一人、南里光範さん(70)はコメや麦を栽培していた。「農業を続けても先が見えない。子どもや孫のために再開発だ」。
1998年、農家ら地権者約300人がまとまり、兵庫北土地区画整理組合を設立。約120ヘクタールもの土地に新たな街をつくる計画が浮上した。
核となる商業施設の誘致に動いたが、意欲を示すのは小規模店ばかり。「すぐ撤退するのでは」と地権者が不安を抱く中、手を上げたのがイズミだった。
約11ヘクタールもの大型商業施設計画。地権者は「これだけ大きな施設ならば、ずっとここにいてくれる」と歓迎した。
イズミにとって鳥栖市と長崎市を結ぶ国道34号沿いの立地が決め手。車で訪れる県内外の客を見込み、約3200台収容の無料駐車場を備えた。2006年、街づくりの起爆剤となる大型商業施設が誕生した。