山陰中央新報社の「石西政経懇話会」は平成25年8月9日(金)に定例会を開催します。今回は、作家で「日本に健全な森をつくり直す委員会」事務局長の天野礼子(あまの・れいこ)氏を講師に迎え、「本当に“清流日本一”の高津川に」と題して講演
天野氏は、2003年に出版した「日本の名河川を歩く」が縁となり、島根県西部を流れる一級河川「高津川」へ通い始めた。そしてこの高津川を「もっと美しい川にしなければ」との思いが、様々な取り組みへと繋がって行く。
川の“異臭”対策として「EMダンゴ(有用微生物)」作戦、また、水量確保のための「流域の森の間伐」提唱など、「健全な森づくり」が川・海の輝きを取り戻すという「森里海連環学」を実践中だ。2009年には、「日本に健全な森をつくり直す委員会」の提言が採用され、農水省が「森林・林業再生プラン」をつくり、全国で「間伐」が進められている。
天野氏は今、三つのことを進めている。それは▽全国8カ所での「日本の森の“グランドデザイン”をつくるための森林・林業調査」▽高津川流域の行政マン・林業関係者向け「カルチャー教室」の継続▽高津川流域で「日本に健全な森をつくり直す委員会」のNPO法人化―だ。
天野氏が高津川再生プランをどう描くのか。
<天野礼子氏からメッセージ>
『2003年に講談社から出版した『日本の名河川を歩く』で、高津川を“日本一”と選んだ。同年、国土交通省も“水質日本一”に選んだ。が、夏には川が少々臭うことが気になった。本流にダムを造らせなかった代わりにできた水力発電施設群によって、川から本来の水量が奪われているからだった。
2003年には、京都大学で「森里海連環学」が誕生しており、この学問を高津川流域に導入することによって、「森と川と海のつながりやつらなりの大切さ」「清流を維持し、もっと美しい高津川にするためになすべきこと」を、流域全体で考えてもらいたいと、国の「総合特区」への立候補をお勧めし、当選したのだが、まだ「道半ば」。
「高津川を“もっと美しい川”にするために、いま流域を挙げてなすべきことは何か」。