アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(10月29日)は、ある出版社の常務取締役に関するお祝い事があって、その会社から特別にお招きを受けました。

私はその前に、出版と研修で大変お世話になっているその方のために、カミさんと表参道駅で落ち合って ニコライ・バーグマン(nicolai bergmann) に行ってバラのフラワーボックスを買いに行きました。

店内を見回すのは、とても楽しい時間でした。

目当てのフラワーボックスを選んで、その方に喜んでもらえる顔を想像するのも、私たちの喜びでもありました。

「おもてなし」の心をたっぷり味わえた場面でした。

 
さて、私がヒューマン・ギルド10月24日付けメルマガの巻頭言に書いた表題のタイトルに一部修正・加筆して掲載します。

この時期にラグビーのワールドカップの熱戦が繰り広げられています。
日本チームは、10月20日(日)開催の南アフリカ戦で敗北しましたが、ベストエイトに残ったことは快挙です。  

ところで、ワールドカップの期間中、参加国の選手が日本各地で住民との交流が交わされ、その際、「日本のおもてなし精神」に世界の人々が称賛の声が挙がっていたことが報道されていました。

「ワールドカップ初戦、ロシア相手に劇的勝利を収めた日本。
試合前に、世界中から注目を浴びたのが、開幕戦直前に対戦相手ロシアの国歌を日本のサポーターが練習する姿」という記事がありました。  

livedoor NEWS(10月24日 9時39分)では、「『携帯失くすなら日本』ラグビーW杯に訪れた海外記者がおもてなしに感動」の記事を見つけることができました。  

「『携帯電話を失くすなら、日本をオススメします』と海外メディアが伝えた。ラグビーW杯で訪日した海外記者が、帰国直前に携帯電話を紛失したという。だがタクシー会社が保管に加えて充電までしてくれており、感激したそうだ」とありました。  

 ここで私たちアドラー心理学を学ぶ人たちが顧みなければならない課題があります。

アドラー心理学の名を高めた『嫌われる勇気』(岸見一郎/古賀史健、ダイヤモンド社)では、人に好かれようとする行動は「承認欲求を求めるもの」として否定されています。

哲人は、「アドラー心理学の大前提」として「アドラー心理学では、他者からの承認を求めることを否定します」と言い切っています(132ページ)。

 しかし、このことを全面的に受け入れていいかどうか、です。

まず、アドラーの文献を探しても、このような記述は見当たりません。

むしろ、「どれほど〔他者を〕援助し、促し、喜ばせる用意があるかどうかを調べれば、人の共同体感覚を容易にはかることができる」(『性格の心理学』P.111)とあり、次のように同じ本で承認欲求を肯定するような記述もあります。

「性格は心の態度決定である。即ち、人がどんなふうにまわりの世界に向き合うかという方法であり、認められたいという欲求が、共同体感覚と結ぶついて貫徹されるガイドラインである」(P.7)

もしアドラーが現代に生きていたとして、「日本のおもてなし精神」を知ったとしたら、そのことを共同体感覚の発露と捉え、こんなふうに言うかもしれません。

「『おもてなし精神』が相手の見返りを期待したり、相手のニーズに反して発揮されたりするとやや危険ですよ。他者からの承認を過度に求めるのも要注意です。『おもてなし精神』は、建設的に発揮されなければなりません」  

アドラーが物事を善悪の判断軸でなく建設的(ユースフル)/非建設的(ユースレス)の軸で捉えていたことも併せて考えてみたいこの頃です。

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